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ツール・ド・北海道のレース事故 2
レースをやるのは主催者、規則が守られているかを見るのが審判。
これを分かっていない人が実に多い。日本だけでなく、驚くことに自転車の仕事をやっているものにだって分かっていないのがいる。
ジロだったか、海外の大手のWEBサイトの記者が、主催者は選手に救済措置を与えるべきと書いていて、僕らの間で
「あいつはどこまで素人なんだ。救済措置を与えるのは審判であって、主催者じゃないだろう」と言われていた。

TOJというレースにレースフォトグラファーとして参加した時、ある車があり得ない位置で走っているので、レースディレクター?に言ったら、「審判に言ってください」というではないか。やはりレースディレクターの仕事の範囲を理解しておらず、暗い気持ちにさせられた。そんな指示を出すのは審判ではなく、レースディレクターすなわち主催者なのだ。

それから日本からツール・ド・フランスに出るためにアジアでのランキングを作り、そしてASOに働きかけるというプランを聞いたことがあるが、出場の基準作りはUCIにあるのであって、ASOが作るものではない。これまたレースを分かっていないからこういうアイデアが出てきてしまうのだ。

一方、自分のキャリアにおいて、これまでレースで大きな事故が幾度となく発生したけど、そんなときに審判が出てくることはほとんどなく、責任が問われるのはほぼ主催者だ。
今の北海道の事故だって、審判、コミッセールがどうのこうのと言っている人がいるけど、責任の所在は基本的に主催者の範疇だ。基本的と言ったのは、そこにいたわけではないから、一般的な話である。
仮にそれがレースできるような状態のコースでなければ、主催者に加えて、それを公認してきた連盟にも責任がある。
とにかくロードレースの成り立ちを理解し、事故の責任がどこにあるのか、それをまず明確にしないと、将来こうしたことは防げないということだ。

それから今回、悲しい死亡事故となったけど、選手やチーム側に誰か取材したのだろうか?そして片側車線を承知で長年選手たちが出場していたのだから、それなりに考えがあるはずだ。それを事故だ、片側車線だといったところで、問題の本質には迫れない。
とにかく事故が起きたから今後は中止ということは避けるべきで、これから改善して続けてもらいたいと思う。主催者だってこれまで一生懸命やってきたのだ。

こうした大事故が起きると、声の大きい人が事故の重大さに乗じて的外れなことを言っていることが少なくないように思う。
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