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昨日は雪!
昨日は雪!
休養日から昨日のステージの明け方にかけて強い雨が降っていて、朝起きると山の頂は雪で真っ白。
実際、昨日のステージでもカンポロンゴ峠は雪だった。
そのあと、気温2度の中をずっと下っていってトンネルに入ると集団がいっせいにストップ。ベッティーニが小便するのにストップしたのがきっかけとなった。誰もがストライキと思って騒然となったが、15分ほどして集団は動き出した。
こんな形でいっせいに集団がストップするというのは、僕は初めて見る光景だった。

僕の仕事はそこで起きる出来事を写真で記録すること。
レースではいつどこで何が起きるか分からない。
だからこのジロでも、たとえば大会後半の山場だけに来るとか、面白そうなステージだけに来るとか、そういうのはすでに僕の中では論外の行動になっていて、その時点で自転車競技でなくなっている。
中途半端なことをやるのだったら最初からやらない方がいいと思っている。
YesかNoか、やるかやらないか、答えは2つに1つ。
とはいえ、さすがに雪の中では縮こまっていて、早くホテルで熱いシャワーを浴びたかった。
今日は休養日(猛烈に仕事中)
今日はドロミテの中で休養日を迎えた。
コルティーナ・ダンペッツォに宿泊したのだけど、たいしたご飯でもないのにすごく高い。まるでヴェネツィア並だ。さすが高級保養地。
実は昔、オートバイのドゥカーティのイベントで、ここにある最高級のホテルに宿泊したことがあるが、部屋の中にジャグジーがあったし、部屋なんて、今いる小学校の教室(プレスルームになっている)くらいはあった。

オートバイの運転手に、サルデーニャでのステージの移動中にスピード違反があったと自宅に連絡があった。
さすがにスピード違反の金までは払ってあげられない。
ビエッラから
ビエッラから
昨日はゴール地であるフランスのブリアンソンに宿泊し、今朝オーガナイザーのクルマ(昔ゲーヴィス・ビアンキで監督をしていた人。ドミフォンでは世界チャンピオンに3回なっている)に乗せてもらって200kmほど走り、スタートであるビエッラに来ました。
今、オローパの寺院の中に設置されたプレスルームにいます。
ビエッラは繊維の町として知られていて、日本でも有名なメーカーがあります。フィラやゼーニャ(日本ではたしかゼニアと表示されていたように覚えています)もここにあります。
さっき、コースをオートバイで走ってきたけど、すでにたくさんの観客が詰めかけていました。
今日も快晴です。
今晩はミラノのウチに戻り、2週間強分の服を洗濯しなければなりません。
3週間のステージレースは大変っす。

(写真はコースの下見をしているアンディ・シュレックとザブリスキー)
バイク破損
バイク破損
昨日、上りでシモーニが自転車を交換。そこでオートバイに止まってもらって写真を撮ろうとしたが、その瞬間、警察官のオートバイに追突された。運転手がジロスタートの2日前に仕上がったというお気に入りのサイドバッグの1つが吹っ飛び、お釈迦となった。さらに車体も傷ついた。
救急隊員も飛び出してきてくれたが、幸い身体は大丈夫。カメラも被害はなかった。
警察官側のミスなんだけど、向こうも保険を使うといろいろと都合の悪いことがあるらしく、どうやって支払うかは今日結論が出る予定。
19年この仕事をやって追突されたのはこれで3回目。
奇遇にも相手は全部警察官だ。
ちなみに今回の相手は、一昨日ビチスポルトのオートバイにもぶつかり、土手から落としそうになっている。
パス
パス
レースが終わって予約してあったホテルに行くとツインの部屋がなく、ホテル側がミスを認めて2つの部屋をくれた。だから運転手といっしょに寝なくてもよく、久しぶりにいびきを聞かなくても良かった。

ところで毎日ガゼッタから電話がかかってきて、どんな写真を撮ってくれという注文が来るのだけど、きのうはレース終了後にバッレリーニの写真を頼まれた。
現役の時はパリ〜ルーベを2回とり、今は世界選でのコミッサリオ・テクニコ、平たく言えばイタリアチームの監督をやっている。
撮影の時、彼のパスが邪魔なので僕のポケットにしまった。
それを返すのを忘れてしまい、気付いたときには彼はいなかった。
今朝、本人からケータイに電話がかかってきた。
スタートで渡すことができて良かった。
写真もちゃんと新聞に載っていた。
2度落胆
昨日表彰の撮影中にレース中にレンズを落としてしまった。
幸い破損はなかったけど、ちょっとショックだった。
レース中に撮影機材が壊れると、大変なことになってしまうから気をつけないと。

昨日、オートバイの運転手が
「俺の友達が沿道に来ていて、食事を用意して待っているから」と言う。
前半は退屈な展開だったし、じゃあ、みんなを誘っていこうと、オートバイに乗るカメラマンを呼んで60km地点に行った。
きっとすごいご馳走なんだと期待していったら、その人、かばんの中にしょぼいパニーニ(サンドイッチ)を詰めて持ってきているだけで「これ食べる」というではないか。
もうみんな落胆して、逆におかしくて笑っていましたよ。
僕も力が抜けて、近くのバールに行ってコーヒーを飲んできた。
ナポリ近郊から
今日、船でナポリに到着した(ああ、サルデーニャはすばらしいところだった!)
船はけっこう快適で、過ごしやすかった。
ナポリについてから、ホテルまで移動したが、シートベルトやヘルメットを着装しているクルマやオートバイが増えていてびっくりした。
携帯用カーナビでホテルに向かったのだけど、よく似た名前の通りが2つあって間違えてしまった。
ナポリの洗濯物がいっぱい干してある、まるでスラム街みたいなところに迷い込んだのだ。
午後はリクイガスのところに行き、撮影をした。
船の遅れでどこのチームも自転車が届いておらず、選手たちはまったく練習できない状態で困っていた。
サルデーニャ到着
サルデーニャ到着
オートバイの後ろに乗ってジェノヴァに到着して、夜7時半に船でサルデーニャのオルビアに船で移動。
4人部屋の個室を2人で使ったけど、運転手はダイエットしているせいか、あまりいびきをかかず、けっこう眠ることができた。
オルビアからパラウまで50kmをオートバイで移動し、そこからまた船でチームタイムトライアルのゴールであるラ・マッダレーナに移動。
こういうのも全部有料で、しかもちゃんとオーガナイズされていないから、大変。
警察官に文句を言われながらもなんとかたどり着いた。
今日からジロ。空は快晴だし、みんな知りあいなので、とても楽しいレースです。
(写真はジェノヴァからの船。買ったばかりのリコー・カプリオGX 100(もっと名前を短くして欲しい)で撮ってみました)
カメラ買いました
昨日は都内で仕事先での打ち合わせや発表会などがあり、忙しく飛び回った。
そのスキを見て秋葉原のヨドバシにいったら、前から一度見てみたかったデジカメ、リコー・カプリオ GX 100というオートバイみたいな名前のやつがあった。
ちょっとだけ手に取って即決。今、目の前にある。
ちょうどいい重量で、質感もいいのだけど、今のコンパクトカメラにしては珍しく、レンズキャップがついているのがちょっと面倒。
とにかく、仕事が終わったあと食事に出掛けるときなどに携帯できるので、重宝しそうだ。
これから成田に行き、午後1時発のフライトに搭乗する。
フライトはJALだけど、アリタリアとの共同運行便。映画は期待できない。
だからカメラの説明書をじっくりと読もう!
バッソ自供する
今日、刷り上がったばかりのチクリッシモ第4号が手元に届いた。
バッソのことをこの中に書いたけど、ちょうどバッソがオペラシオン・プエルトで見つかった「ビリッロ」と書かれた血液が自分のものだと認めたニュースが飛び込んできた。
去年のツールのために使おうと思ったという。
これで近年のブエルタ、ツール、ジロ全部にビッグスキャンダルが起きたことになる。
バッソに情状酌量を求める声もあるが、基本的には2年間の出場停止と見られる。
ショッキングだけど、なんかもうこんなスキャンダルにすっかり慣れましたよ(笑)。
明後日からジロに出掛けるけど、もう頼むよ。

イタリア・ニュースエージェンシー協会の報道によると、バッソはミラノのホテル・ミケランジェロで今日の現地時間正午に開いた記者会見で、ドーピングをやろうとしたが、実際にやったことはないと、実際の薬物及び血液の摂取は否定した模様だ。
フエンテス医師に対して実際に何度か金が支払われているという疑惑もあるので、このあたりが追求されるのではないかと個人的に思う。

イタリアの友人がスカイプで、「バッソは勇気あるじゃないか」と言ってきた。
今日付けのガゼッタの選手のコメントなどにも、同じニュアンスのものがあった(当然第1面のトップ。ジロの期間でもないのにトータル4ページは異例)
最後は自分から言ったということについて、イタリア人はこのように受けとるのかと、今さらながら勉強させられた部分も。
チクリッシモ第4号が発売されます
チクリッシモ第4号が発売されます
5月9日(水)、チクリッシモ第4号が発売されます。主な内容は以下の通りです。

2007プロチームガイド&選手名鑑
〜プロツール20チーム+有力プロコンチネンタル6チーム〜
2007 3大ツール観戦ガイド
〜ジロ・デ・イタリア/ツール・ド・フランス/ブエルタ・ア・エスパーニャ〜
特集=春のクラシックス
06ジロ優勝 I・バッソの東京滞在密着レポート
L・アームストロングの新居で独占インタビュー
バルベルデに東京でインタビュー
走る画伯小河原政男の「ツール風景画」展
ほか
綴じ込み付録=ポストカード
定価1575円(税込み)

ジロ終了後にはジロスペシャルも出ますので、そちらもよろしくお願いします。
大型連休、平和です
約2ヶ月ぶりに日本に戻って、大型連休(だけどわずか1週間ほどの休みなのに、大型とつくのはむなしい気が…)を過ごしています。
テレビを見ると、毎日高校野球の特待生問題のことを報じているけど、これまた日本ならではのことで、唖然としています。
元々野球にはまったく興味ないのですが、高校野球をやっている人たちだけが坊主頭なので、なにか独特の雰囲気を感じていました。

今の世界の自転車競技の問題、それはドーピングです。
先日も80年代にプロ選手だった友人と話をしたのですが、
「昔もドーピングはあったけど、いくらおれたちのような下っ端選手がやったところで、モゼールやサロンニには勝てなかった。だけど今は上の選手を打ち負かすほどのものが出ている。そこが嫌なんだ」と彼は言いました。
フォンドリエストが引退したのもそんな理由だったと、彼の近親者から聞いたことがあります。

高校野球もプロ野球も相撲も、ちゃんとしたドーピング検査は行われていないのではないかと思います。
そしてもし実施すると、陽性反応者は思っているよりずっと多いのではないかと僕は思います。
意図的に行う者もいるでしょうし(インターネットなどで入手は簡単と言われています)、それに意図しなくても風邪やケガなどで薬や痛み止めなどを服用すれば、まずは陽性反応でしょう(新聞に痛み止めを打って出場したという美談が出ていれば、たぶん陽性反応(笑)です)。栄養ドリンクにも危ないものはいっぱいあります。
ヨーロッパの常識からすれば、検査が行われていないとなれば、まずは怪しいとなります。
実際、ヨーロッパではいわゆる素人参加のレースや子供のレースでも抜き打ち検査があります。
「野球に検査がない。相撲取りのあの体形はなに?」となれば、まずは怪しまれます。全員が陽性反応者と思われても仕方がない…、それがヨーロッパです。

たしかに今の自転車界はドーピング問題で揺れているのですが、じゃあ検査がほとんど行われていないものが国民的スポーツとなっているのはいったいなんなの?と、僕はよく自問しています。
そして今は特待生問題…。う〜ん、次元が違い過ぎる!
帰国
帰国
ミラノから成田までのJALの飛行機の中でゆっくり映画でも見ようと思ったら、前から一度見てみたかった「硫黄島からの手紙」をやっていた。
面白いし、渡辺謙さんの演技もいいし(元々ファンです)、ずいぶん考えさせられるのだけど、やっぱりショッキングな場面も多いので食欲減退。食事は半分ほど残した。

ウチについて夕食を食べていたら、ちょっと調子の悪かった歯の詰め物がとれた。
日本に帰ってきたときで本当に良かった。
先日もイタリアの関係者と
「ジロの前には歯は治した方がいい」という話しになった。
今日、さっそく歯医者に行く。

ところでバッソがディスカバリーをやめてしまい、当然ジロの出場もない。
5月10日発売のチクリッシモにはバッソの東京滞在時のレポートが載るのだけど、まさにどんでん返し。彼のディスカバリーとの契約(たしかナイキとも個人契約したと思う)、こういう結末になるとはいったい誰が予想しただろうか。