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ティレーノ〜アドリアティコのステージキャンセル
今年のティレーノ〜アドリアティコは山岳ステージが一つしかなかったのだけど、それが雪のため、キャンセルになった。
僕は前日に同業者から電話をもらったのだけど、周りで笑い声がしていたので、ぜんぜん信じず、冗談だと思っていた。
そのあとにメールでオーガナイザーから正式に知らされた。
ステージがキャンセルになった昨日はとても寒く、これじゃ山に雪も積もるだろうなと思っていた。
ところが今朝のガゼッタ紙には、道路にぜんぜん雪が積もっていない写真が掲載され、びっくりした。
ニバリはこの大会3度目の総合を狙っていたので、オーガナイザーのやりかたを強く非難した。
最低でも、レース前日ではなく、当日の朝に決定すべきだったと。

オマーンでニバリはイタリア人のチーフコミッセールにブエルタでの失格の件をやはり強く抗議していた。
失格は正当だけど、じゃあツールで集団落車があったときにはレースが止まり、ブエルタは止まらなかったのはいったいなんなんだと語気を強めていた。
ニバリはなんというか、人間が素直にできていて、思ったことをすぐに口にするタイプ。
僕はそんな彼が大好きなのだけど、マスコミにとっては良いカモになる。
まあ、しかしあの雪のない写真を見たときには、ニバリの言い分がすごく正しいと思った。
僕も今大会は泡のないビールに感じている。
あとは明後日のタイムトライアルしか残っていないのだ。

それより、新聞で驚いたのは、何人かのツイッターが掲載されたなかで、ディメンションダータの某選手がニバリを非難したことだ。
強い選手が言うなら良いけど、こんな名もない選手の発言が新聞に出てしまい、もう取り返しがつかないだろう。
昨年のオマーンで、猛暑の下りが危なすぎると選手がストライキを起こし、ステージがキャンセルになった。
実際のところ、それをやったのはカンチェッラーラで、あとはチームのエース格が集まってカンチェッラーラに従ったのが実情だ。
こうしたときに、エース級以外の発言の自由が許される雰囲気はこれっぽっちもない。
ところが今はツイッターというものがあって、誰でも発言できるけど、それが新聞に出るとなると話は変わってくる。

去年、アールがジロ・デル・トレンティーノを病気で急遽欠場したが、ヘンダーソンがツイッターでドーピングの疑いがあると言わんばかりのことを書き込んだ。アールの代理人のカレーラはすぐに裁判に訴えるというメールを流したことがあったが、あとでヘンダーソンが謝ったものの、もう遅いと言われた。
発言の自由が誰にでもあるのが民主主義だけど、少なくとも実際の自転車界はまったく違う。

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