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ドーピングで無罪放免となったとき
ドーピングで無罪放免となったとき
ジロで陽性反応が出たディルーカとサンタンブロージオのその後が報道されず、以前から気になっていた。
ツール・ド・フランスでガゼッタの記者に聞いたところ、彼らもうわさ話しか知らず、
「ディルーカは再検査をせず(=薬物接種を認めた)、サンタンブロージオはパン屋で働いているという話を聞いた」とのことだった。
そして今日のガゼッタはようやく報道したのだが、ディルーカは12年の出場停止の可能性がある一方、サンタンブロージオの陽性反応はかなり疑わしく、シロになる可能性が大きいことを示唆している。
もしサンタンブロージオが無罪となった場合、ジロでチームを去ってからの給与が支払われるかというと、まったくないはずだ。

リッコの奥さんは無罪になったけど、旦那がかなりの刑をくらっていただけに、最初から先入観をもたれてしまった。これを正しく批判したのは、僕の知る限り、ポッツァートだけだった。
今、メリディアーナで走っているシンケヴィッツは、一回刑を喰らっていただけに、2回目の陽性反応が出たとき、これまた強い先入観をもたれてしまった。
無罪放免となったとき、彼の訴えはほとんど報道されなかった。

一昨日のツール・ド・ブルガリアで区間優勝し、今リーダーとなっているディグレゴリオは昨年のツール・ド・フランスの最初の休養日に禁止薬物取引の疑いで逮捕され、コフィディスから即刻解雇された。だが所持していたのはビタミン剤で、無罪となっている。

逮捕されたときには大々的に扱い、無罪だったときには1行で終わりというのが、自転車を扱うマスコミだ。

僕は昨年の暮れのジェイスポーツの特番に出演し、ドーピングについて意見を述べた。
もともと人前でしゃべるのが苦手でうまくいえなかったけど、こういう事例がいくつも自転車界にあるので、単に刑だけ重くしてもダメだと思うのだ。
冤罪だった場合の救済措置が自転車界にまったくないのだ。
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