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今が一年でいちばん良い時期
今週土曜日のロンバルディーアで自分のシーズンは終了だけど、気分はすっかりオフモードに入っている。
だからここ数日はベルガモ在住の日本の友人宅にいったり、ミラノの写真エージェントの友人と食事をしたりしている。
昨夜は、昔からお世話になっている近所のおばさん宅を訪れた。
このおばさんがいろんな世話をしてくれたおかげで今の自分があるわけで、もしこの人がいなかったらこんな仕事はできていなかったはず。
夕方、自転車で走り終えた後に花屋さんによってお土産の花を買った。
初めて入る花屋だったけど、親父は自転車が好きと見て(というか、このおじさんの年代といえば、コッピやバルタリに憧れた、いわゆる自転車競技の黄金時代を見た人たち。みんな好きでそれなりの知識がある。イタリアは奥深いよ)、
「ディルーカが3ヶ月出場停止というじゃないか」と言うから、
「医者に通っていただけで出場停止というのは、僕は納得できないなあ(ディルーカは8歳の時からここで健康診断などを受けていたと報道されている)」と言うと、
「あんたがこの花束を持って走っていけば、きっと区間優勝した選手に見られるよ」
と笑う。
僕は片手に花束、片手にブレーキを握って坂を下りた。やっぱり区間優勝した選手の気分だった!

おばさん宅は久しぶりに訪問したのだけど、離婚してしまった娘が来ていて
「工事渋滞があって、そこにいた警察官に『ここの工事はいつまで続くのですか』と聞いたら『この看板の文字が読めないのですか』なんて言うから頭に来て『アンタのこと、訴えてやる』と言ってやったわよ」と、またイタリアならではの楽しい話を聞かせてくれた。

その帰りに、近所の自転車クラブに寄った。
僕はメンバーではないけど、この近くに住んでいたことがあったので、しょっちゅう顔を出していた。
街がずいぶん変わったことに驚いたけど、週に2回、8時半から始まるミーティング、そして外でたむろって世間話に花を咲かせる年寄の親衛隊などは、20年前とまったくいっしょ。
メンバーの一人は、この近くにあるクオータ(フレーム会社)で働いているのだけど、アグリチュベルに来年からフレームを出すことになり、120本用意しているという。
去年ユニベットから話があったときには200本求められたというから、プロチームの機材の量は大変だ。
今日、日本のコンチネンタルチームに自転車を出しても良いという会社が現れたので日本に取り次いであげたけど、それでも30台だ。

しまった。シーズンオフ突入寸前というのに、また自転車の話をしてしまった。
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