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イタリアン・レストランに行った
朝、イタリアのビチスポルトから、アームストロングの写真を2ページの見開きで使いたいから横位置のものを撮ってくれた言われた。コーヒーを奢るからという条件で。
それじゃあまりに安すぎるから、ブリオッシュとビールもつけてくれと言っておいた。
この日、アームストロングが逃げに乗ったのだけど、横風がまるでベルギーのクラシックを見ているようで、興奮の数時間だった。まさにアームストロングの撮影日和。走りの写真を何十枚も撮ったし、チクリッシモ用の表紙用も撮れた。
横位置の2枚をビチスポルトに渡すと、できが想像以上だったのか、コーヒーは夕食に変わった。
ちなみに彼が書いたパンターニの本をちょうど先日から日本で読み始めたところでもあった。
ガゼッタの記者も加わって、3人でイタリアレストランに行った。
ここに来ているイタリアの報道はこの2社なんだけど、僕が彼らといつも夕食をいっしょに食べないのは僕以上に夜遅くまで仕事しているから。
でもこの日はビチスポルトの奢りだったし、アームストロングの写真の整理に追われて僕も夜9時まで仕事したから、喜んでつきあった。

このレースに世界の自転車競技の報道の最前線が集まっていて、AFPもロイターもEPAもレキップもガゼッタもヘットニューズブラッドもヨーロッパから記者が来ている。
日本の新聞に出ている「7月1日から24日まで行われたツール・ド・フランスは、○○○○が総合時間○○時○○分○○秒で初優勝を飾った」というような膝の裏側から「ガクッ」と音が聞こえて来そうな決まりきった文章をヨーロッパの記者がもし書けば、会社に戻ったら机はないだろう。

ビチスポルトもガゼッタも、僕が金を払って購読している唯一の雑誌と新聞なんだけど(日本の家の書庫には、23年間分のビチスポルトがあるし、ガゼッタも毎日欠かさず読んでいる)、両方の記者は、会社の報道の仕方に怒り爆発で、夕食はこの話でおおいに盛り上がった。
とにかく、現場第一である。この夕食じゃないけど、現場ではいろんな情報がある。現場にいなきゃ、なにも分かりません。
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