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ちょっとひどい話
ちょっとひどい話
ミラノに住んでいる日本の友人と食事したのだけど、その席で電話のトラブルの話を聞かされた。
「電話料金が安くなるシステムです」という電話がよくウチにもかかってくるのだけど、友人の奥さんはついついその話しに応対してしまったら、なんと自動的に契約させられてしまった。
友人も奥さんもイタリア語はかなりうまいから、意思の疎通ができなかったわけではない。
オンラインでなんでも申し込める日本とは違って、イタリアはいまだなんでも書類の世界。
にもかかわらず、ちゃんと申し込みもしていないのに、無理やり加入させてしまうとはひどい話だ。
しかも、それはちゃんと名の通った大手の会社だ。
友人は新しい電話会社とこれまで使っていた電話会社に連絡しようとしたが、30分以上待ってもつながらず、つながってもすぐに切れてしまうという。
電話が単純に安くなるならまだ我慢できるが、彼は従来の会社に電話とインターネットを同時に申し込んでいたため、これまでのインターネットが使えなくなってしまったのだ。
こうなると詐欺とも言えるが、イタリアに日本の消費者センターなるものがない。
いや、もしかしてあるのかもしれないが、まったく機能していないに違いない。

以前、別の友人がクリーニングに大事な衣類を出したら、ひどい状態になって返されたし、僕だってまだ使える掃除機の調子が悪くなって修理に出したら、ボロボロに壊されて返されたことがある。
マックのラップトップのディスプレイの締まりが悪くなってミラノで正規の店に修理を出したら1ヶ月もかかり、おまけに以前より悪い状態で返された。
日本で別件の修理に出したら、「これはひどい状態ですね」と、無料でただちに修理してくれた。
それにたとえば有料テレビやクレジットカードなどは、イタリアでも申し込みが簡単だけど、解約が複雑でいつも長引く。1年に1度だけ、期限が切れる数ヶ月前に申し込んだ人だけが解約できるなんて、信じられますか?
この国に消費者の権利なんてちっともないと思う。
電話でトラブルを被った友人が取った最後の手段は、電話の契約自体を破棄して新しい電話回線を引いて番号を取り直した。
まったくひどい話である。
イタリアでいいのは、食い物と自転車だけである。
(食事に関してはおそらく世界屈指の国。どんな店に入ってもおいしい国を、イタリア以外には知らない)
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