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おっさんたちのジロ・ディ・イタリア総括
今日、コルナーゴに用事があって行ったのだけど、途中、行きつけの自転車屋に寄った。
そうしたら、ちょうど年金生活のおっさんたちが集まって、ジロの総括とニバリ敗退の原因分析に花を咲かせているところだった。

日本で自転車レースのことを知っている人というのは、インターネットをよく見ている人か、ハッタリをかましている人のことだけど、レースの展開や作戦を自分の言葉で言うことができる人は、元プロ選手か現役のプロ選手などだけだろう。
一方、イタリアは国民が評論家なので、ときには新聞に記事を書いている人ですらこてんぱんにやられてしまう。

まあ、今日のオチは
「コイツはエディ・メルクスのことばかりだから」と言われた人が
「おれはアンクティルだって見た」だった(笑)。

連日の好天
連日の好天
今年のジロではまだ雨が降っておらず、これほど天候に恵まれた大会はちょっと記憶にない。
唯一、夕立があった日があったが、それは2度目の休養日。
昨日のドロミテでのステージも、素晴らしい風景が目の前に広がり、おしっこに行く暇がなくて我慢した。
今日も朝から青空が広がっている。
アルベール・ブヴェの死去
アルベール・ブヴェの死去
フランスのアルベール・ブヴェが87歳で亡くなった。
僕が仕事を始めた頃、ツール・ド・フランスの無線放送はこの人がやっていた。
すごいしゃがれ声で、今でもはっきりと頭の中に残っている。

1956年に僕の大好きなパリ〜トゥールで勝ち、そのあと1998年にジャッキー・デュランが勝つまでなんと42年間もフランス人勝者がいなかった。

僕が初めてパリ〜ルーベを取材したのは1990年で、ホテルを予約していなかった。
そのときアルベール・ブヴェが声をかけてくれて、すぐにその場から選手が泊っているホテルに電話して取ってくれた。
ただし、部屋にシャワーがなかったので、フィダンツァ(イタリア選手、今はアスタナの監督)の部屋で浴びさせてもらった。
その場でホテルに電話してくれるなんて、今ではありえない話である。

また自転車界の人がこの世を去っていった。
ボトルが顔にヒット
ボトルが顔にヒット
昨日のステージで、クイックステップのマルティネッリ(お父さんはイタリアを代表する名監督で、現在はアスタナにいます)の投げたボトルが見事に僕の顔に当たりました。
「ビール奢れよ!」と叫んだら、笑ってました。
この仕事をして、初めての経験かも(笑)。
メガネが壊れなくてよかった。
2度目の休養日あけ
昨日は2度目の休養日があった。
コインランドリーでの洗濯と、モバイルルーターを使い過ぎてなくなってしまったために、新しいものを買い求めた。
コインランドリーは関係者で大繁盛中だった。
午後はデスクワークをしたけど、この大会で初めての強い雨が降った。
だけど、タイムトライアルが行われる今日、快晴が戻った。
天候に恵まれるだけど、取材の苦労が軽減される。
伝説
よく、外人は日本人の顔をなかなか覚えられないという。
どの顔も同じに見えるというのだ。
レース現場で恥ずかしいことをやらかした日本人はこれまで男女含めて複数いる。
伝説の日本人というわけだ。
それが僕がやった、あの人がそうだったと勘違いされていることが少なからずあって、数日前に外国のジャーナリストと食事をしていてそんな風に言われて本当に驚いた。
たとえ今から10年、20年以上前のことでも、間違って記憶されていってしまう。

本人たちに注意したところでなんのメリットもないわけで、自分は自分、他人は他人と思ってはいるけど、やっぱり腹ただしさもあるし、虚しさもある。
旅の恥はかき捨てって、やっぱりダメ。
最初の休養日
サルデーニャでの3ステージを終えた後、シチリアに大型フェリーで移動した。
船内でイタリアのジャーナリストから取材を受けた。
今、シチリアのパレルモにいる。
1994年のトラック&ロード世界選手権のときは1ヶ月ほどシチリアにいたけど、そのうちパレルモはトラック競技で10日間ほどいた気がする。
とにかく市内は相変わらずカオスである。
第1ステージ終了
僕の運転手はスカルポーニの地方出身で、いっしょに自転車に乗ったこともあり、彼のことを知っている。
まず最初に僕にスカルポーニの事故死を知らせて来たのも彼だった。
驚かされたのは、事故を起こした車のドライバーとスカルポーニの家族は知り合いで、事故の前にいっしょに食事したというのだ。
こんな悲劇があるだろうか。

そしてバルディアーニの2人もの陽性反応者事件である。
チームごと家に帰されるのかと思っていたけど、さすがにそこまでの処分は下されなかった。

昨日の第1ステージは素晴らしく綺麗なコースだったが、まだジロ特有の仕事のリズムが掴みきれないし、カメラにつけた画像伝送装置もうまく作動しないこともあって、苦戦している。
今日あたりでリズムを取り戻したい。

アルゲーロから
昨日、ミラノからサルデーニャのアルゲーロ空港に向かった。
飛行機はイタリアの自転車関係者でいっぱい。
ガルゼッリともいっしょだったけど、見かけによらず、現役時代から見ると12、3kgは太ったという。
アルゲーロ空港についたら、昔ヴィーニカルディローラのチームマネージャーだったエンリーコ・マッジョーニと息子がいっしょに乗せていってくれという。
1998年、シチリアのアグリジェントの空港について、こっちが頼んで車に乗せて行ってもらったことがあるのだけど、そのときのことを覚えていたのにちょっとびっくり。

昨日は記者会見とチームプレゼンテーションが行われ、早くもハードに働いた。
とくに今回はフランスのティボー・ピノが参加しており、フランス向けの仕事が多い。
だけど、早くもバルディアーニから陽性反応者がいきなり2人も出て、悪いスタートとなった。
コンパクトカメラ
コンパクトカメラが苦戦しているというニュースを見た。
そりゃそうだろう、iPhoneであれだけの画質の写真が簡単に撮れるのだから、なかなかコンパクトカメラの購入、そして携行までいかない。

僕もちょっとしたものを撮るのだったらiPhone6sなのだけど、旅行用のカメラとしていちおうFUJIFILM X100Tを使っている。
フィルムシミュレーションができるのが売りで、とくに クラシッククローム(=早い話がコダクロームなんだけど、フジが商売敵だったコダックの製品名を使うわけにもいかないですからね)を多用しているけど、やっぱり持ち運ぶのにそれなりの苦労があるわけで、今回の1週間の帰国でも、イタリアに置いて来てしまった。
良いカメラで満足しているけど、もうちょっと操作性をシンプルにして欲しかった。

以前はリコーのGRを使っていたけど、耐久性に問題がある感じで、これまでフィルム用を含めてリコーの製品を3個買ったけど、2個が壊れてしまった。
GRの最大の魅力はなんといってもコンパクトさ。
修理してもう一回使ってみようかな。