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ディルーカがかわいそうだ
先日モナコで行った佐藤琢磨君の撮影の写真の選択作業を、連絡を取りながらやっている。
それから原稿書きも始めなくてはならないが、取材はとても楽しかった。
先月ロサンゼルスにいったとき、ガゼッタの記者といっしょにチポッリーニの取材をやったけど、そのときにこのF1レーサーの取材の予定があることを告げると、彼は大きな興味を示した。
ドーピング問題で揺れ続ける自転車界に今必要なのは、こうしたポップな話題なんだと。
もちろん、佐藤君ほどのスターレーサーになると、いろんな制限がつきまとうので、許可なく媒体に写真を渡すことはできない。
その記者とは当然バッソの話になった。彼は復活を目指して黙々とトレーニングを積んでいる。黙々というのは、ロンバルディーアが終わったと同時に彼もバカンスに入ったというほどの念入りで、自転車選手の生活と同じことを2年間謹慎の身でもやっているのだ。
次にディルーカの話になったのだが、記者は顔をしかめた。サントゥッチョーネのところに行ったというだけで3ヶ月間の出場停止になり、そして世界選もロンバルディーアも走ることができなかったのは周知の通り。
だけど、去年のジロのゾンコロランのステージ終了後の夜に行われた抜き打ちの薬物検査で、ホルモン値が子供と同じくらいに出たことで、現在禁止されている点滴を行ったのではないかという疑惑があるのだ。
記者のしかめ面は、状況が芳しくないことを示していたが、案の定、イタリア五輪委員会は昨日ついに2年間の出場停止処分を求めた。
だけど、直接的な証拠もないのに、処分を下していいものなのだろうか。
ディルーカはもちろん疑惑を強く否定しているけど、禁止行為をやっていないことを証明する方法なんてあるだろうか。

今朝ラジオで、栃木県警が知恵遅れの人を犯人にでっち上げていたが、のちに真犯人が捕まったことを報道していた。
また僕が住んでいる富山の県警は、女性に乱暴した男性を犯人と決めつけて服役させていたけど、その人が娑婆に出てきた後に真犯人が捕まった。
当然、担当の責任が問われるはずだけど、「組織全体の責任」とかということでお咎めなし。県警は今日も元気にスピード取り締まりに情熱を傾けている。

こうした例を持ち出したところで、ドーピングスキャンダル続きの自転車界を擁護するのは無理だとは百も承知だけど、最初からなにかを見つけることを前提にして、そうしたお上的な組織が動いているような気がしてならない。
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