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チューリヒに移動
今秋から日本のテレビで自転車番組が始まるということで、日本のテレビクルーがミラノに来た。
世界選が終わった翌日から昨日までずっとそっちについていて、チクリッシモの仕事は深夜と早朝にやるというウルトラハードな毎日だった。
クルーはまだいるけど、とりあえず僕は昨日で終わり、今日からチューリヒに移動する。明日はチューリヒ選手権だ。そして来週はパリ〜ツール。この2つのレースをチクリッシモでカバーする。その次の週のロンバルディーアは締め切りに間に合わないので、残念ながら掲載できない。
これが終わると僕の今シーズンは終わり。11月下旬から始まるアジア大会まで休養だ。日本でゆっくりしたい。
ミラノから
世界選手権が終わってイタリアに戻ったけど、忙しくて写真の整理もできないままだ。
今、日本からテレビがきていて、各種の取材をしている。
今日、ギザッロ教会にいってきた。
なんの約束もなかったのに、フィオレンツォ・マーニが現れ、チクリスティ第1号を誉めていただいた。
次にトッリアーニの息子がたまたま来たので、いろいろと説明を頼んだ。
きわめつけはミルコ・チェレスティーノが練習でギザッロを通過。呼び止めて、モデルを頼んだ。
とにかく忙しくて完全に睡眠不足。眠い。
ザルツブルクから
飛行機が突然キャンセルになってマドリードに一泊。替わりの飛行機だって自分で見つけなければならず、もうクタクタ。
だから、月曜日に予定していたミラノショー行きもやめた。
火曜日の早朝に家を出て、600km離れたオーストリアのザルツブルクに向かう。
安全運転でゆっくり行こうと思っていたが、走りながら大会の書類を見ると(もうレースの連続だから次のレースのことを考えている余裕がない。だから直前にならないと要項を見ない)、受付時間が13時まで、午後は15時からとなっている。このペースで行くと、13時過ぎについて、2時間もぼーっとしていなくちゃならないことに気がついた。
もう120km/hからいきなり180km/hペースで走り続けて、13時10分に到着。走って受付に行くと、さすが時間に正確なゲルマン民族、13時ちょうどに仕事をやめて受付終了である。
だけど、そこにUCIの知りあいがいて、特別に受け付けてもらった。後ろから来た人はみんな断られていたので、ちょっと後ろめたさもあったけど。
だけど、有料公共駐車場が1週間で70ユーロ!プレス関係に特別の計らいはないと言う。駐車場ごときに金を払うのは、私の17回の世界選取材で初めてのこと。
昨日は初日で、女子とU23のタイムトライアル。久しぶりに500mmのレンズを使った。今日はプロのタイムトライアルだ。
マドリードで足止め
ブエルタが終わってマドリードの空港に向かうとき、レンタカーの燃料を入れていないことに気付いた。ところがスタンドがなかなかない。もちろん、そのまま返却してもいいのだが、高いペナルティーを取られる。
スタンドを探すだけで20Kmくらい走り回り、あきらめたところで偶然発見。努力すれば報われると言うことを、僕は今回のブエルタじゃなかった、スタンド探しで学んだ。

早めに空港に着き、パソコンを打ちながら搭乗を待つが、なんの案内もない。あれっと思って掲示を見てみると、なんと飛行機がキャンセル!
もうあせりまくってチェックインカウンターに戻ってみると、すでに長蛇の列が。1時間以上も待たされ、結局マドリードにもう一泊。
しかも飛行機のチケットを自分で取り直す羽目に。アメックスに電話して、予約してもらう。普段ばか高い年会費を払っているけど、こういうときは本当に助かる。
ああ、ホント疲れた。仕事が山積みだというのに。
あと3日間
今、グラナダにいて、これから100km離れたハエンに移動し、第19ステージを迎える。
いつものことなんだけど、連日仕事に追われて、時間がぜんぜんない感じ。
しかも、レースのことだけでなく、大会の手続きやら、海外の雑誌との契約やら、ホテルの予約の変更やらで、もうてんやわんや。
でもレースは面白い。昨日でヴィノクロフの勝利が決まったと思うけど、バルベルデ、もしかしたラワンデーレース向きじゃないの?と思えなくもない。

外は今日もいい天気だけど、夜明け前の冷え込みがずいぶん感じられるようになった。
Fetchにおさらば
昨日の第15ステージが終わった後、150kmクルマで走ってアリカンテに宿泊。そして休養日の今日はアリカンテからアルメリアまで300km移動した。
途中、工事渋滞で30分ロスした。
スペインは工事を夜間にやらないのかなあ?

今回のブエルタでじゃっかんパソコンのソフトがトラブルを起こした。
FTPソフトはこれまでずっとFetchを使っていたのだけど、起動するごとにショートカットのデータが消滅。ホームページで見たら、OS10.4で頻発し、解決策が見つかっていないとのこと。
この症状が出始めてからもがまんして使ってきたけど、これ以上はとても仕事で使えないのでおさらば。
次にCyberduckというフリーソフトを使ってみたが、回線が切断されてしまうことがはなはだ多く、これまた仕事ではとても無理。
そこでイギリスのベテランカメラマンに聞いた。彼はFetchを使っていて問題ないけど、Transmitがベストだったという。そこで試用版をダウンロード。これは極めて順調で、試用期限が来たら購入するつもり。
レース期間中にソフトを替えたのは初めてかも。
クエンカより
今クエンカに来ている。世界文化遺産に指定されているところだ。川の侵食によってできた断崖の上に作られた町で、圧倒されるくらい見事。
泊まっているのは常宿なんだけど、なんと17世紀の建物。300年以上前の家が、ちゃんと住めるのだ。しかも中は清潔。こういうところにいると、日本の30年しかもたない家はなんなの?という気持ちになる。
京都などのお寺も庭も好きで、この仕事をやめたら庭いじりに没頭したいと思っているくらいなんだけど、京都の町全体を見ると、うしろにビルが建っていたりしてがっかりするので、好んで行くことはない。
その点、ヨーロッパの古い町は、やっぱりいいなあと思う。
それに家がこれだけ丈夫だと、先祖代々住めるわけだから、経済的な負担もずいぶん違うはず。安い給料でもバカンスに行けるというわけだ(ちょっと短絡的かな)。

しかし、石畳の登りはすさまじい。そもそも長い。フランドルに出てくる坂の何倍もありそうだ。
ここでちぎれると、はい、さようならだ。
カンチェッラーラなんか、完全ちぎれモード。
(こんなんでよくパリ〜ルーベに優勝できたなあ)と思って、
「がんばれよ」と声をかけてやったら、
ウインクして、おまけに「アリガトウ」と、知っている日本語を叫ぶし。
おまけに、その後ろにいたフルスマンが自分に声をかけてくれたものだと勘違いして
「チャオ」と言っていくし…。
ブルゴスより
ブルゴスより
一昨日の夜にイタリアから電話があって、フランスのレキップが至急写真を必要としているから送れという。
昨日のレキップに写真が掲載されたのだけど、エージェントの名前だけで、僕の名前が入っていなかった。

ホテルに着いたのは夜9時。
フロントのおねえちゃんは「6時までに確認の電話がなかったのでキャンセルしました。予約票にもそう書いてあるでしょう」と言うが、そんなことどこにも書かれていない。
「じゃあ、なんとかします」と待たされてやっとチェックイン(最初からどうにかしろよ)。
10時でもう腹ぺこ(レース中はいつも昼を食べない)。ちょっと歩いて夕食を食べてきたが、この町でおいしく食べられる店がどこにあるのだろうか。ブルゴスは観光地なので苦手である。(写真はブルゴスの聖堂)

ところで、ジェイスポーツのサイトに今連載されている、たきもとかよさんの漫画はとても面白い。毎日見るのを楽しみにしている。

今日は私の誕生日なんだけど、普段と変わりなく取材に出かけ、夜はクタクタの腹ぺこでホテルに入るでしょう。世間一般の慣習とはかけ離れた生活です。
ノサルを見た(野猿じゃない)
昨日レース中に、このレースに参加していないノバルとノサルがトレーニングを兼ねてやってきたのを見た。ノサルは例のスペインのスキャンダルに巻き込まれて出場できなかった。ちなみにノサルはちゃんとアスタナの服を着て走っていた。
いつも、のんびりとした顔つきをしているのに、パーティーのときにまっさきに飛び出て踊り出してみんなを笑わせたのと見て、驚いたことがある。人は見かけによらないものである。

そういう自分も昔、泥のついた作業服を着て歯医者に行ったことがある。
そうしたら、女性の助手が
「この治療した歯は変わっていますね。どこで治療されましたか?」というのだ。
「ええ、イタリアで治してもらいました」と言ったら、
「イタリアに行ってらしたのですか」と、目を丸くして言うのだ。失礼しちゃうよね。
イタリアから戻って泥のついた作業服を着ていたら悪いかよ。
ピミエントス・デ・パドロン
ピミエントス・デ・パドロン
ピミエントス・デ・パドロンを食べまくっている。
スペイン料理で何がすきかと言われたら、まっさきにこれを挙げる。
パドロンというガリーシアの町が原産のピーマン(シシトウ?)を油で揚げたものなんだけど、数年前に食べたときに一目ぼれをしてしまった。
以降、スペインに来るたびに探し求めていたのだけど、昨年のブエルタでは一度も巡り合えず、実に悲しかった。
ところが、一昨日レースが終わって夕食を食べに行くときに店の前に出しているメニューにこれが載っているところがあって、迷わず飛び込んだ。しかも、このあとに食べたホタテのニンニク味オリーブオイルソテーが絶品で、オイルをパンにつけて食べ過ぎて次の日に下痢したくらいだ。
それにもめげず、昨晩ホテルの隣で入ったバールで、嗚呼わがピミエントス・デ・パドロンがおいてあるのを見つけ、大満足。さらに今日のお昼もそこに行き、ビール2杯とこれを食べて帰ってきたところ。
で、今晩もそこにいくつもり。これでブエルタをやめて帰ってもいいです。
コマーシャル
コマーシャル
ここんとこ、グランツールは災難続きだけど、このブエルタ自体は面白いと思います。
ツールで不運のリタイアだったバルベルデ、出場すらできなかったヴィノクロフ、それからジロ、ツール、ブエルタすべてに出場しているサストレらの争いは目が離せない(ジェイスポーツのキャッチぽいかなあ)。

一方、世界選に向けて注目度も高まっていますよ。
日本にいてはなかなか分からないけど、やっぱり世界選は世界チャンピオンを決めるレースだけに、盛り上がります。
レースはもちろんだけど、まずは各国の選手選抜から目が離せない。
ここ数日、スペインのセレクターであるパコ・アンテケーラが顔を見せているし、毎年イタリアのバッレリーニもこのブエルタにやって来る。
日本みたいに、○○○に勝った選手を五輪に出す、あるいは世界選に出すなんて言う方式は、僕に言わせれば一見公平に見えるけど、実は不公平だ。
だって、直前に調子のいい選手を出さない限り、いい成績はとれないに決まっているから。アームストロングはツールだからこそ良い成績をとれたけど、じゃあパリ〜ニースでも優勝できたかというと、まず無理。

とはいえ、イタリアはすでに水面下でああでもない、こうでもないが始まっている。なにしろ、場合によっちゃ、メンバーの過半数が優勝できる力を持っているから(とくに数年前はスーパーチームだった。が、むなしい成績続きだった)、誰を選ぶか、そして誰を勝たせるか、チームとのしがらみもあって大変。
シドニー五輪のときは、比較的平坦コースにもかかわらず、レベッリンやターフィを出さずにパンターニを出したために、大きな非難が起きた。当時の監督は、「アレは失敗だった」と側近に漏らした。
というわけで、発売中のチクリッシモにも世界選のプレビューが掲載されています。当たるかなあ。
近代スペインにおける雑感および業務報告など
今、ラボバンクと同じホテルに泊まっている。建ったばかりの3つ星ホテルだけど、食事なしで1万円。
昔のスペインだったら5000円でおつりが来たと思うけど、このユーロ高はすさまじいものがあって、取材経費は2倍以上かかる。

ホテルに朝ご飯がついておらず、外のカフェで朝ご飯をとるときは楽しい。とりわけ、オレンジジュースを搾って飲ませてくれるのがとてもいい。
それから、店にもよるけど、焼いただけのパンにオリーブオイルをたっぷりかけて食べるのがこれまたおいしい。スペインのオイルは強い。これは女といっしょね。

ブエルタの取材で忙しいけど、12月に行われるアジア大会の手配や他の仕事のこともあり、ときどきパニックになっている。
だけど、ヴィノクロフらはオフシーズンの12月にロードレースをやるのは冗談じゃないということで行かないという。4年前の釜山大会は、ブエルタの直後だったから走ったのだ。

昨日はレースが終わってからガゼッタから電話があって、ペタッキが写っているものがないか、それからイギリスのレースで勝ったポッツァートの写真を手配できないかなどといった内容だった。
イタリアは世界選モードに入っている。