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ジルベール強し
ジルベール強し
リエージュ〜バストーニュ〜リエージュが終わり、今からパリに向けて出発です。
ここから350km。
しかしシュレク兄弟2人を敵に回して勝ったフィリップ・ジルベール、やっぱり強かった!
サンニコラの激戦のときは、オートバイ12台も激戦でした。
しかし、2004年にレベッリンもアルデンヌ・クラシック3連覇をやっているのですね(もう記憶になかった....?今年、ファルネーゼに入るという話があったのだけど、どうなったんだろう?)

ジルベールと初めて話をしたのは7年前だったかな。
ツールの会場でチクリッシモで活躍しているジャーナリストのケネがつれて歩いていて、紹介してくれたのだけど、そのときはジロを走った後でツールは参加していなかったはず。ただ、見に来ていただけだった。

彼はとても礼儀正しく、今でも必ず挨拶する。
しかも、モンテカルロでポッツァートたちとよくいっしょになるせいか、今やイタリア語がぺらぺら。

ご機嫌のときはこんな冗談もやってくれます。
明日はリエージュ〜バストーニュ〜リエージュ
ドイツのデュッセルドルフから、ベルギーのリエージュに来た。
今日も初夏の陽気。
この時期、ベルギーで連日いい天気が続くのは珍しいのではないだろうか。
このリエージュ〜バストーニュ〜リエージュはこれで20回くらいの取材だけど、これまで冷たい雨はもちろん、雪に見舞われたことがある。
イノーはこのレースに2度勝っているけど、うち一回は雪の中での伝説の大勝利。
そのかわり、両手の指それぞれ1本ずつを凍傷でやられ、今でも感覚がないのだ。

今はリエージュ郊外のホテルにチェックインし、これから受付とカメラマン会議に行く予定。

月曜日はリエージュからパリまでクルマで行き、夜のANA便に乗って帰国する。
日本滞在はわずか1週間ほどなんだけど、打ち合わせなど、仕事もたくさん待っている。
だから、もうちょっと長く滞在したかった。
オーストラリアのライド誌
自分がメインフォトグラファーを務めている雑誌は4つあって、そのうちの一つがこのオーストラリアのライド誌。
その52号が発売となりました。
かなりきれいで、たぶん世界でいちばんなのではないかと思っています。
編集長が元々はグラフィックデザイナーなのです。

チクリッシモも国内外でそれなりの評価は得ていますが、絶対に勝てないのはページ数。
なにしろ、あっちは簡単に増やすことができてしまうのです。
「ああ、今回は大変だった。一気に○○ページも増やしたから」なんてメールが来ますが、日本の雑誌ではあり得ない話です。

http://www.ridemedia.com.au/
フレーシュ・ワロンヌ終了
フレーシュ・ワロンヌ終了
昨日、フレーシュ・ワロンヌが終了。
ご存知、ベルギーの自転車熱は世界一。
ヴァンスーメレンがパリ〜ルーベに優勝した後、地元の新聞が彼の幼少時からこれまでの写真満載の小冊子を作ったのには驚いた。
ジャスミンちゃんなんか、モデルのかっこうしちゃって。
しかも、新しいポルシェの前で二人で座ったりして。
今は、彼レベルでもポルシェが買えるくらいの給与がもらえるんだなあ。昔と大違いである。

さて、フレーシュ・ワロンヌ。ユイの激坂が終わったあたりで、観客が道路にせりだしていて、オートバイのミラーが接触して落ちてしまった。
高いものなのに、もう終盤にはいっていたこともあって、運転手はそそのまま止まらずにレースに随行。

このBMWのオートバイ、軽量で小回りがきくから、もう製造が終わっているのだけど、自転車の世界ではいまだ人気が高い。
スタート前に後ろから撮ったのだけど、3連ホーンがついているのが分かりますか?
このときは、左側のミラーはついていたのだけど....。

そして今日はクイックステップ、ラジオ、サクソの3チームが泊まっているホテルから脱出。
今どきのケツの青い選手たちは、夜になるとインターネットやらツイッターとやらでネットに集中するものだから、もうホテルのシステムがダウンしていて、これ以上滞在すると仕事ができなくなるという判断もあった。
今はドイツのデュッセルドルフにいます。
フレーシュ・ワロンヌ大会受付
クルマで来たのですが、オートバイに乗るカメラマンの会議が6時で、まだ2時間あまり。
なので、イタリアのカメラマンとコーヒーを飲もうと思ってバールに行ったら、周りはみんな見事にビール。
ましてこんなところでコカコーラなんか頼もうなら、おこちゃまだよな。
ベルギーでくそまずいコーヒーを飲むくらいだったら、やっぱりビールだよなあと思って、レフの濃い方、飲みました。
昼に飲むビールはすごくおいしいのだけど、なぜか酔いやすい。

今朝、行きつけのホテルのインターネットがダウンして(たぶんモデムの電源を入れ直せば良いだけだと思うけど、奥さんがヒステリックな人で、こちらのことをなにも聞かないから、もうホテルを出ました。朝出て来る生のオレンジジュースに後ろ髪を引かれたけど)、選手たちが集まっているホテルに来ました。
インターネットの不調で客が逃げて行く時代であります。
日本では殆どあり得ないけど、ヨーロッパではホテルのインターネットがダウンすること、しょっちゅうです。
アムステル・ゴールドレース
昨日、アムステル・ゴールドレースが終了した。
今年に入って使い始めた新しいレンズから異音が出ることが分かって焦った。
先週のパリ〜ルーベで砂埃を浴び続けたからに違いない。
ボディの液晶表示部分にも砂が入っていて、これは実用上問題ないとしても、音は不安。
でも来週帰国してもキヤノンに寄れないから、このままジロを終えるまで我慢しなければならない。

ところで、昨日のアムステル・ゴールドレース。
ラジオツールをUCIのおばちゃん審判がやったものだから、もうダメダメ。
番号は言うけど、選手名を言わないから、状況が分からず。
しかも、ときどきヒステリックに
「そこのオートバイ、近づき過ぎ!」とヒステリックに怒鳴るときなど、みんな笑っているくらい。
餅は餅屋というように、ラジオツールはそのプロがやらないとダメなのよ。

僕が好きなのはツール・デ・フランドル。
レースの雰囲気がもう気合い入りっぱなしの上に、ラジオツールもその延長上にある。
あのフラマン語(=オランダ語)のリズム感、そして絶え間なく流れて来る状況放送のボリューム感がとてもいい。

レースのど真ん中にいるから、こんなふうに妙なところに目がいくのだけど、自分にとってはとても大事。
音がレースの雰囲気を作る部分って、けっこう大きいと思う。
アルデンヌ・クラシックに向けて出発
しかし、ソフトバンクの孫さんの100億円寄付、びっくりしました。
桁違いのお金持ちにあらためて驚き、そしてその志も立派。
合法的に金を巻き上げて行った官僚、そして天下りたちは、汚い金を寄付して清い体になったらどうかと思いましたよ。
とにかく俺もいよいよドコモをやめて、孫さんのソフトバンクのiPhoneにしようかな(ドコモでiPhoneが使えるようになればいちばんいいという話はさておいて)。

だけど、もし手元に自由に使える100億円があれば、レオパードやスカイ、カチューシャに負けないチームを数年間運営できるなあと思ったのもまた事実。
先日、パリ〜ルーベでレオパードのチームマネージャーにばったり会いまして、
「おお、偉大なるマネージャー様」と言ったら(彼、ずっとイタリアに住んでいました。今もかな)
「そんな、そんな」と謙遜されました。
まあ、僕の周りにいる人間の中で、いちばんホットな出世ですね。
あのチームの監督の一人は、数いる中でもっとも嫌いなやつなんだけどね。
チクリッシモ23号は4月20日に発売
チクリッシモ23号は4月20日に発売
自転車ロードレース専門誌『CICLISSIMO NO.23』春のクラシックレース号が4月20日(水)に発売となります。
“モニュメント”呼ばれる5大クラシックのうち3つのレース——ミラノ〜サンレモ、ツール・デ・フランドル、パリ〜ルーベが春先に開催されます。これらを含め、メジャーレースをたっぷりレポート。
欧州プロチームで活躍する4人のプロ選手に現地でインタビューを敢行。別府史之、新城幸也、土井雪広、宮澤崇史の今季に懸ける意気込みが語られます。
5月7日に開幕する、ジロ・デ・イタリアのプレガイドも掲載。
本場のレースの“今”と注目の事象の分析記事を、レースカメラマン砂田弓弦の写真とともにお届けします。
●4月20日(水)発売予定、税込み定価1,575円、A4ワイド判116ページ 
※東北地方太平洋沖地震の影響で、一部地域で配本が遅れる可能性があります
ジロの準備に大わらわ
今はミラノの家にいるのだけど、土曜日にクルマでマーストリヒトに行き、アムステル・ゴールドレースの取材を皮切りに、北のクラシック後半戦を取材する。
最終戦のリエージュ〜バストーニュ〜リエージュが終わると、翌日パリから帰国便に搭乗。約2ヶ月ぶりの帰国だ。
日本での滞在は10日間ほどで、そのあとはイタリアに戻ってジロの取材に入る。
昨日はオートバイの運転手や荷物運搬の人と打ち合わせし、今日はホテルの予約の最終確認をした。
とくに、ツインとダブルを間違えていないか、怪しいところは一軒一軒電話して確認した。
それから、空港からのレンタカーの予約も2件入れた。

ジロの取材を一回すると、かなり金がかかる。でもケチケチするよりも、良い取材をするためにある程度の金は惜しまない方針。
ガゼッタその2
北のクラシック前半戦が終わり、その総括として登場したのが僕とほぼ同い年で、今は出世して、上の方にまで行っている記者。
僕をガゼッタの方に後押ししてくれたこともあるし、また僕も彼にチクリッシモへの寄稿を何度か依頼している。
僕の中では、世界の代表的なジャーナリストの一人だ。

「サンレモ、フランドル、ルーベは名前が知られていない選手が勝った。デヴラーミンクは当紙のインタビューで“今のワンデーレースの選手に抜け出たのがいないのと、飢えた選手がいない、なんとしてでも勝つという姿勢がない”と良いことを言っている」と書いている。

さらに
「リエージュやロンバルディーアのような厳しいコースの現ナンバーワンはおそらくジルベール。スプリンターでいちばんなのはおそらくカヴェンディッシュ。そしていちばんオールラウンドに強いのはカンチェッラーラであろう。ルーベでのフースホフトの走りは、世界チャンピオンに値しない」とばっさり。

これまた彼の言う通り。

個人的にはアシストクラスの選手が勝つのは好きだけど、世間はチャンピオンが勝つことを圧倒的に祈っているわけだ。
じゃないと、自転車の人気は出ないのだ。
そして、「アルデンヌ・クラシック(北のクラシック後半戦)では、有名選手たちが奮起することを期待している」と結んでいる。

ガゼッタにもときどき良い記事が載っているのね、知らなかったよ(笑)。
今日はまたドーピングで2ページ割いているけど...。
ガゼッタその1
パリ〜ルーベ前々日、ガゼッタに掲載されたロジェ・デヴラーミンクのインタビューはとても良かった。
書いたのは若手で、誉めると喜んでいた。「もうガゼッタで俺の将来なんかないよ」と言っていたのだけど...。

デヴラーミンクといえば、エディ・メルクスに次いで有名なベルギーの選手で、これまで取ったクラシックはサンレモ3回、フランドル1回、リエージュ1回、ロンバルディーア2回、そしてルーベが4回。ルーベでは2位に4回も入っていることから、ムッシュ・パリ〜ルーベとも呼ばれた。

「ボーネンがあなたに似てますかね?」という質問に
「どこが?上りもTTもダメだろう。カンチェッラーラはTTがいいけど上れない。俺に似ているのはメルクスだけだよ」
さらに
「最近の選手たちは、50レースはトレーニングとして使っている。俺のときにはあり得ない話で、出るからには勝ちに行った」
「ベルギー人は、去年のカンチェッラーラの自転車にモーターが入っていたと今でも信じている。スペシャライズドがそんなことするわけないだろう」
「フランスを好きになったことはこれまで一度もないけど、このパリ〜ルーベだけは好きだった」
「無線機?いらない。あれは監督たちが、水を渡すことだけが仕事になったときに、クルマを運転していて居眠りをしないように抵抗しているんだ」

さすが大チャンピオン。言いたい放題だけど、全部が当たっている。フランス嫌い、ベルギー人の疑い深さも、まさにそのまま!

この続きは明日。
パリ〜ルーベ終了
レースが終わって、今はルーベのホテルに泊まっている。
明日、ミラノに戻るけど、心はブルー。
ゴールのときに使うレンズをガソリンタンクの上の小さなバッグに入れていて、ゴールで取り出して使おうとしたら、なんだかおかしい。
パヴェの振動でレンズが壊れたのだ。
購入してから6年経つレンズだけど、これまで使用回数が少なく、一度も修理にも点検にも出したことがなかったから、4月下旬に帰国したときに修理に出そう。でも、こういう機材の故障が起きると、心が重たくなる。

今日は体中、砂埃まみれ。
朝から殆ど飲まず食わずで、夕食は砂肝の入ったサラダ(フランスでときどきお目にかかる。これが大好き!)を食べ、ビールを大瓶1本ほど飲んで、明日の夕方ミラノにルフトハンザで戻る。
明日パリ〜ルーベに出発
明日パリ〜ルーベに向けて出発するけど、ここのところずっといい天気が続いていて、当日もいい天気みたいなので、砂埃地獄となるのは必至。
ゴーグルとマスクを忘れずに持って行こう。

機材にとってドライな条件はかなり過酷で、今のキヤノンのカメラだったらいいけど、10年ほど前のものまでは、翌日は確実にダイヤルからジャリジャリと音がした。

大会前日はツール・ド・フランスでオートバイに乗るカメラマンの会議があったり、夜は夜でジャーナリストを集めての食事会に招待されていたりして、何かと忙しい。

ここで、パリ〜ルーベの昔の写真が見られます。
http://www.pelotonmagazine.com
トスカーナから帰宅
トスカーナにいる宮澤と宮島のところに行ってきて、さきほど帰宅しました。
パソコンを開けてメールを見ると、
フランスの雑誌が二重課税防止書類を送れ、選手が写真を送ってほしい、チクリッシモが原稿を書け、知らないアメリカ人が写真をただで欲しい(なんで俺がただであげなくちゃいけないの?)、....仕事山積みです。

NHKのトラック世界選の放送です。
http://www.nhk.or.jp/sports2/spf/spf1.html
今日は写真整理
フランドルでは石畳の下りでオートバイがコントロールを失い、危うく観客に突っ込みそうになったりしたけど(昔このレースで転んだことがある)、順調に取材を終えた。
ところが帰りの飛行機が45分遅れで出発。
家に着いたのは夜中の12時を回っていた。
ベッドに入ったのは夜の2時。
今朝は7時半に起きて、写真の整理開始。

明日午前ヴァレーゼに行き、来年オーストラリアでプロチームを結成することを発表しているバナン氏の取材。
午後はトスカーナにいる宮澤や宮島のところへ。
ムセーウとばったり
北ヨーロッパのヴェネツィアこと、ブルージュにいます。
明日は、いよいよツール・デ・フランドル。
ここがスタートです。
カメラマン会議が終わった後、イタリア人の友人が一人で見に来ているので、いっしょにカフェに入ったら、横のテーブルになんとムセーウが家族といっしょにすわっているではないですか。
友人は96年の世界選ルガーノ大会を沿道で見ていたら、ムセーウがジャネッティと逃げているときにサングラスを投げ捨てたので、それを拾って宝物にしていると、興奮して本人の前で演説し、そのあとムセーウ一家にも飲み物を奢りだし、興奮してホテルに戻って行きました。
孫の代まで伝説となるのでしょうね。
ああ、ちなみにムセーウ本人は、彼の自転車の輸入代理店が日本でなくなったと困っていました。
だれか興味のある問屋さんは連絡してあげて。

ムセーウは明日の優勝候補ナンバーワンはカンチェッラーラだと思うけど、このレースは長いから水物だと言っていました。
3回優勝していますから、言葉に重みがあります。
カンチェッラーラ、ボーネン、ジルベールが御三家。ポッツァートは、高額のギャラをもらっているのに勝てない、チームとの契約は今年が最後だろうと、ガゼッタにたたかれていました。
僕の予想もだいたい同じで、あとダークホースではフースホフトとバッランかなあ。
ピンクの新聞
イタリア人は若い人でも政治の話が好きで、27年前に来たときにはかなり驚かされた。
日本で支持政党がないばかりか、選挙にもこの30年間ろくに行ったことがない(まあ、海外にいることが多いので...)自分とは大違い。
お世話になっているイタリア人の家庭の、娘と息子の政治に関する兄弟喧嘩で、
「あんななんか、読むのはガゼッタしかないくせに」という娘のこの言葉は一撃必殺だったけど、実は自分も殆ど同じだけに笑えなかった。

そのガゼッタはクリテリウム・アンテルナシオナルで総合優勝したフランク・シュレクがTTで腹の中に詰め物をして腹部を膨らませ、空気抵抗を軽減したのではないかとスクープみたいに扱っている。
書いたのはGで、フランク・ヴァンデンブルックがライセンスを偽ってイタリアの素人レースに参加したときに、たままた道路で立っていた彼が見つけ、写真を撮って大きく報じたスクープのスペシャリストである。

腹部に詰め物をして身体を丸くするアイデアは昔からあって、例えばスキーのダウンヒルだと、たしか僕が中学生のときにオーストリアの選手がやって、そのあと禁止になった記憶がある。もう35年前の話だ。
当然、自転車でも禁止されている。

そのガゼッタが主催する来年のジロのスタートがデンマークということが報道されたが、アメリカのワシントンと合意に至ったというあの去年の話はいったいなんだったの?
イタリアの外からスタートすると、大迷惑を被るのは取材陣とチーム。
僕は飛行機で移動するけど、機材を積んだチームのトラックなどは当然陸路を走ることになる。
市川さんがジロを走り終えたときに、二人でノルウェーあたりまでクルマで行ったことがあったけど、2日間かかった。
おっと、来年のジロなんかよりも、とりあえず今年のジロに集中せねば。

追伸 
一昨日、バッソから
「おれツイッターやフェイスブックで日本人に日本語でメッセージ送りたいのだけど、どうすればいいか分か.....。ああ、OK。ガチャ」というわけの分かんない電話がありました。
どうせグーグル翻訳かなんかでやったのではないかと思いますが、めちゃくちゃの日本語になったのではないかという予感が...。どなたか見たら、結果を教えてください。