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今日から行く中東のこと
今、成田空港でカタール行きのフライト待ちです。
今朝、イスラム過激派に捕らえられていた後藤さんが、本当に残念なことになってしまいました。
僕が3週間強、よりによってカタールとオマーンに行くと言うとびっくりされますが、現地の治安は本当にいいです。
僕もイスラムのことはよくわからないのですが、現地のフォトグラファーに聞いたところによると、盗みを働いて腕を切断されるのは今サウジアラビアだけで、カタールやオマーンでは数十年前で取りやめになったとのこと。
それでも重罪は重罪で、そうした犯罪は非常に少ないとのことです。

僕はこれまでヨーロッパで何度も盗難にあいました。
向こうに足を運んでから今年で31年目になるのですが、昨年も被害額でいうと、100万円近くのものが盗まれました。
ところがスペインの警察に行くと、その事故処理はあくまでも事務的で、やる気などは全く感じられません。
まあ、これはラテンの国では共通のことで、下手すれば、やられたほうが悪いくらいの感じです。

イタリアの前のオートバイの運転手は敬虔なクリスチャンで、罪を憎んで人を憎まずの考え方でした。
泥棒を捕まえても翌日になれば警察から出てくるようなイタリアと、腕をぶった切られる国だったら、俺は断然後者のほうがいいといいました。
100万円の盗難で自分は今でもこの仕事をやっているけど、もし貯金もないフォトグラファーがこれだけの機材を盗まれたら、最悪自殺することだって考えられます。
「お前は泥棒だって人間だって言うけど、じゃあ、やられた俺がもし自殺することになったらどうするの?」というと、運転手は黙っていました。
まあ、こういうことを共に納得し合うことは元来不可能なことで、お互いの持っている結論は変わりませんからね。
でも、カタールやオマーンに行って、その治安の良さを体験すると、ヨーロッパのあの「人を見たら泥棒と思え」状態が本当に嫌になるんですよ。
後藤さんのことは残念で、ご家族や周囲の方の気持ち、日本国民の感情を考えると深刻にならざる得ませんけど、ただあれはテロリスト集団のやったことで、イスラムの国全体悪いということではありません。それはやっぱりはっきりしておかなければならないと思うのです。
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