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さよならマレーシア
さよならマレーシア
今日も少し雨に降られた。
だけど、スタート前からすでに靴の中は濡れていた。
昨日の土砂降りで乾かなかったのだ。
僕に限らず、これは他の人も同じ。
今回もいろんなトラブルがあったが、マレーシアはとても好きだ。
欧米にはない人々の温かさがあるし、昔の日本に存在した子供たちの純朴さもまだ溢れている。

今日で7ステージを消化したけど、僕は残りの撮影をアシスタントに任せ、日本に帰国する。
このあと、家でやらなければならない用事や仕事が山積みで、さらに次の日曜日と月曜日は東京でジェイスポーツのパリ〜ニース中継にゲストで呼ばれている。
それが終わったら翌日に出国し、ティレーノ〜アドリアティコに行く。
川の中でのレース
川の中でのレース
ツール・ド・ランカウイは、これでたぶん10回目以上は取材していると思うのだけど、これまでマレーシアで経験したことがないくらいの激しい雨に見舞われました。
だけど寒くないので、これは良い写真が撮れると思って、ちょっと身震いもしました。
なにしろ、道が川状態でしたから。
しかし、全身ずぶぬれ。
しかも、ホテルまでの道が大渋滞で、これは辛かったです。
格言通りに生きております
一昨日、めちゃくちゃ長い階段を上って写真を上から撮ったら、翌日ふくらはぎが猛烈な筋肉痛に。
だから昨日、ホテルの隣にあったマッサージ屋に入った。
1時間1,000円だから、日本から比べれば安いけど、こっちの物価水準からすれば、やっぱりなかなかの値段。
しかし、おばちゃんの揉み方の強いこと、強いこと。痛くてマジ悲鳴あげましたよ。
そうしたら、そのおばちゃん、英語を一言も理解しないから、痛いところをますます揉むので、ついに絶叫しそうに。
だけど、その声も隣のカラオケ屋からの騒音で聞こえないのか…。
おかげで、今日はマジ筋肉痛の箇所が広がってしまった。

しかも昨夜のホテル、エアコンが止まらず、震えながら寝ることに。
夜中についに服を着込んだので、風邪こそ引かなかったけど寝不足に。

たしかに昔の人は
「人間もまれて強くなる」(意味が違うか)
「苦労は買ってでもしろ」と言ったけど、もう絶対に経験したくないよ。
改善要求
改善要求
今回のツール・ド・ランカウイ、審判団はけっこうゴージャスで、グランツールやクラシックでチーフコミッセールを務めた経験のある人がほとんど。
ちなみに、日本人コミッセールでグランツールやクラシック経験者はまだいません。

だけど、オートバイに乗っているアシスタントコミッセールのレベルがひどく、もう我慢が出来ないのでヨーロッパのコミッセールに一言いいましたよ。
そのうちの一人はツール・ダウンアンダーに来ていて、僕が抗議した一脚使用禁止の決定を下した人。
「またお前かよ」という顔はいっさいせず、彼は
「君の言うことや、行動は正しいよ」と素直に聞き入れてくれた。
そして
「彼らの経験はゼロなんだよ」と、説明する。
だけど今日、見事に改善された。
ツール・ド・フランス100回グレートヒストリー
ツール・ド・フランス100回グレートヒストリー
ツール・ド・フランス100回グレートヒストリー
  〜祭りの日々〜
     セルジュ・ラジェ 著 宮本あさか 訳

2013年ツール・ド・フランス100回大会記念出版

主催者公認 オールカラー400ページの大型愛蔵版

600点の図版と500のエピソードによる歴史絵巻

2013年6月29日、ツール・ド・フランスは100回大会を迎えます。これを記念して主催者公認のヒストリーブックが日本を含む世界9カ国で刊行されます。著者のセルジュ・ラジェは、自転車レースの報道に携わってきた記者で、ツールの図版収集家としても知られる人物。1903年から2011年までを7つの時代に分けてツール史を詳述。未発表を含む図版600点と500のエピソードを収録したツール史の決定版。
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2月22日(金)発売 定価3,675円[税込] 八重洲出版発行 978-4-86144-290-2
マレーシアへ
成田でこれを書いている。
昨日は都内でクライアントとの打ち合わせがあったのだけど、家にパソコンのマウスを忘れて来ているわ、取材で履く靴の中敷きを忘れて来ているわ....。
マウスは秋葉原で今使っているものと同じMacのMagic Mouseを購入。
しかし、成田でどれだけ探しても中敷きはなく、すかすかの靴を履いたままマレーシアに行くことに。
マレーシアの庶民の履物と言えばビーチサンダルが多いから、クアラルンプールにでも行かない限り、ちゃんとした中敷きは買えないかも。
取材が続いて時間に余裕がないと、とんでもない忘れ物をするものだ。

嗚呼、我らがコンタドール
嗚呼、我らがコンタドール
昨日のコンタドールの走りで、これまで連日続いていた生温いレース展開が一気に面白くなりました。
やっぱり、今の自転車界に活を入れることが出来る選手といえば、コンタドールがいちばんですね。

今朝の朝食で、彼と会いました。
実は昨日、チクリッシモの最新号をメカニックを通してあげたのだけど、ヨーロッパにはああしたしっかりした造りの本がないこともあって、本当に喜んでくれました。
目をキラキラさせてしゃべってくれました。
しかも、最後のページの僕とのツーショットもしっかり見てくれてました。
「グラツィエ」と5回くらい言われて、こっちも舞い上がりました。

明日は最終ステージ
明日は最終ステージ
今日はフルームとコンタドールのゴール勝負という、滅多に見られないものが起きて、本当にエキサイティングなステージでした。
明日は最終ステージで、終わったら荷物をまとめてマスカット〜ドーハ〜成田〜羽田〜富山という順で家に戻ります。
家で2泊したあと、東京に1泊。
そして20日の朝に成田からマレーシアに向かいます。
次のレースはツール・ド・ランカウイです。
ロドリゲスはお笑いのカンピオニッシモ
ロドリゲスはお笑いのカンピオニッシモ
昨日のスタートでカチューシャのスタッフがカメラのことをいろいろと聞いて来て、しまいには
「使わなくなったときには売ってくれ」が始まった。
そのときの会話を再現すると

スタッフ「で、いくらにしてくれるの?」
砂田 「俺が使うとよけいに高くなるよ。だって、ロドリゲスの使った自転車だったら、マニアに高く売れるのと同じこと」
スタッフ 「冗談はよせよ」
ロドリゲス 「おい、砂田はフェラーリを持ってるんだぞ。言葉に気をつけろ」
スタッフ一同絶句…。
(しばらくして)
砂田 「あの、クルマじゃなくてワインのフェラーリね」
スタッフ一堂の膝の裏の方からガクッという音が聞こえたような…。

ああ、自転車界で自分の知る限り、ロドリゲスほどおもろくて、頭のいいやつはいない。
今日、そのおもろい奴が勝ちました。
並ぶのが嫌
並ぶのが嫌
オマーンのレースもカタールやダウンアンダーと同じで、一カ所のホテルに滞在しながら、毎日クルマでスタートとゴールに移動する方式。
だけど、その距離が長かったり、渋滞があったりで、遅くホテルに戻ることが多い。
昨日もそんなことがあったりで、夜9時に就寝。朝は7時まで寝ていた。
ジロやツールに比べれば、比較にならないほど楽なんだけど、それでもオーストラリアからずっとレース続きだし、ちょっと疲れがたまっているのかなあ。

オマーンで泊まっているホテルの食事はすごくおいしいのだけど、難点はパスタコーナーに選手が集中すること。
ウィギンスもカンチェッラーラもサガンも、みんな寡黙に10分以上待っているのである。
昨日も並ぶのが嫌で、イタリアで毎日パスタを食べている自分もさすがに食べなかった。
飛行機の移動は大変
飛行機の移動は大変
オマーンに選手が続々やって来てますが、とくにグランツールでGCを狙うコンタドール、エヴァンス、フルーム、ロドリゲス、ニバリ…。加えてサガンやジルベールなど、まるでツール・ド・フランス。
春先にこれほど超一流が集まるレースは、これまで経験してません。

通常、レースにおける機材の移動はチームのトラックで行われます。
そういえば、今行われている地中海一周でガーミンの自転車がトラックから盗まれて大変な被害が出ました。
ちなみに、そのレースが行われている南仏の治安は最悪で、僕の場合、今中が初めて出たクリテリウム・アンテルナショナルでカーステレオや機材を盗まれたし、さらに2000年のツールでは、当時イタリアで乗っていたメルセデスのEクラスを盗まれました。

今回のカタールからオマーンへの移動は、すべて飛行機。
300台近くの自転車の空輸は大変なことです。
これに選手のスーツケースも加わります。

オーストラリアのツール・ダウンアンダーがプロツールに入る前、前のツール・ド・フランスのボスだったジャンマリー・ルブランがゲストとして招待されました。
そのとき、ツール・ダウンアンダーのプロツール入り計画について、こう言ったのを覚えています。
「自転車レースはテニスの大会と違って、機材の移動があるから、実施するのはそう簡単なことではないのです」と。
あのときのコメントが思い出されました。
ドーハからマスカットに移動
ドーハからマスカットに移動
今朝は4時半に起きてホテルを5時に出発。
今、ドーハ空港にいます。
これからオマーンの首都マスカットに向かいます。

昨日のツアー・オブ・カタールの最終ステージの表彰は、宗教上の理由で写真撮影が禁止。
初めての体験でした。
まあ、とにかく、僕の好きなレースなので、また来年も来ることが出来ますように(祈)。
ツアー・オブ・カタール終了
ツアー・オブ・カタール終了
ツアー・オブ・カタールでは、ホテルからコンボイを作ってみんなでスタートに向かいます。
赤信号も、警察が停めてくれるので、そのまま進めます。
ただ、さすがにドーハ市内では信号に従わざるえません。
選手たちはクルマの中からビルを見上げるのですが、それがまるでお上りさん状態で、けっこうおかしいです。
明日は朝5時にホテルを出て、ドーハからオマーンのマスカットに向かいます。
ホテル移動しました
ホテル移動しました
テニスの大会があるとかで、レースに招待されているジャーナリスト組はリッツカールトンからハイアットに2泊だけ移動となった。
ここも良いホテルだけど、リッツにはちょっとかなわない。

明日でレースは終了し、明後日は朝5時にホテルを出て、ドーハからオマーンのマスカットへ移動だ。

しかし、カタールの道路にこんな汚いところがあって、びっくりします。
自転車界の神様、エディ・メルクス
自転車界の神様、エディ・メルクス
エディ・メルクスに後ろから肩を叩かれ、ここでは書けないようなジョークで笑わせてくれたのは数日前。
昨日は、在カタール日本大使の門司さんが、いつものようにレース会場に来てくださったのだけど、前はベルギーの大使をやられていただけに、エディ・メルクスのことを当たり前のように知っていてくださった。
そこにいた国際自転車競技ジャーナリスト協会会長のジルが
「砂田は優秀なカメラマンですよ」と門司さんに言ってくれたのだけど、横にいたエディが
「はあ、どこが?こいつの使っているカメラは中国製だし」と…(笑)。

写真は去年のオマーンでのもの。カメラを向けたら、ちょっと待てとやってくれたポーズがこれでした。