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のんびり
いい天気が続いているので、3時頃から1時間ほど自転車に乗ってくる毎日。
仕事に追われることもなく、1年でいちばんいい時期。
アメリカの仕事先が、チポッリーニのサインが入ったジャージを送ってきてくれた。
こんなことしか書くことがないくらい平和な毎日です。
3ヶ月で壊れた
3ヶ月で壊れた
のんびりと家で仕事しているけど、もう来年のレースの準備もやっている。
来年9月の世界選手権のホテルに至っては、予約どころか支払いまでやってしまったくらい。
レースのインビテーションも来ていて、1月はオーストラリアやカタールに行く予定だ。

ところで今日、突然マウスが壊れた。
夏に発売されたアップルの無線マウスを使っていたのだけど、スクロールがだめになった。ボールを回しても、下に画面がいかないのだ。上には行くのだけど。
アップルに電話したら、新品交換となった。わずか3ヶ月の命だった。
日本は電話一本で交換までしてくれるけど、これがもし海外の辺ぴなところで起きていたら大変なことになっていた。

ときどき、人からどこのカメラがいいかと聞かれる。
これはその人がなにを撮りたいのかとか、どのように使いたいかでいろいろ変わってくるけど、僕の場合はとにかく壊れないものがいちばん。
海外で壊れたときの大変さは、これまで嫌と言うほど経験していますからね。

新しいものが出るとすぐに飛びつきたい気持ちはわかるけど、しょせんは人間が作った工業製品。新製品はリスクが高いと思う。反省せねば。
富山から
富山から
普段の仕事は一つずつ集中して片づけていくけど、シーズンオフの仕事の方針としては毎日浅く広く方式をとっている。これがとても気持ちいい。
同時進行で掃除もやっていて、今日はクルマの中でもと思っている。
クルマを買ったのは6年前だけど、まだ洗ったことは1度しかないです。でも中はきれいにしたいのです。
これ、イタリア人の家と同じね。外は冴えなくても中はピカピカというやつ。

昨日の日曜日、子供たちが学校の行事に出たので今日は休み。だから今日は子供を連れてラーメンを食べに行こうと思っている。
富山市の翠月というお店、これまで出会った中でいちばんおいしい。ガチンコとかというテレビ番組に指導者役として出ていた名人のところで修業したらしい。
あの番組、めちゃくちゃなやらせというのを業界の人から聞いていたから、僕はしらけた目で見ていた。だからこの店を最初は疑っていたのだけど、とてもおいしい。

昨日、近藤房之助さんにCDを贈っていただきました。すぐに聞いたら、もうあのパワフルさに惹きつけられますよね。
氏は熱烈な自転車のファンで、中に書いてくださった言葉を見て、意気に感ずるものがありました。
シーズンオフで気持ちが離れていたのですが(それでも毎日のようにイタリアの自転車関係者と連絡しているけど)、来シーズンに向けて一気にモチベーションが高まりました。
時差ボケとれた
6日前の日曜日に帰国したけど、今回の時差ボケは4日間でとれた。これはいつになく速い!
帰国して、すぐに近藤房之助さんと朝3時まで飲んでいたのが功を奏したのかも。

昨日、カメラバッグを購入した。キャスター付きのバッグを使うことが多いのだけど、最近は機内持ち込みの荷物の制限がとくにヨーロッパ内の移動時に厳しくなり、大きいものが難しくなってきたので、小さいものを購入したのだ。
バッグは昔からアメリカのものが人気で僕もいくつか持っているけど、国産のエツミもコストパフォーマンスがよく、いくつか持っている。今回もエツミのものを購入した。
シーズンオフだと、機材の充実に目が行ってしまい、また出費が続きそうだ。
ランディス
ランディス
シーズンオフで、仕事もしながら、普段できなかったことをやっている。
今日はガレージの掃除をした。
明日は、自転車置き場の整頓でもしようかな。

さて今日のガゼッタは、エディ・メルクスのインタビューだ(僕の撮った写真が使われています)。
彼はランディスを信じると言っていたのだけど、それはインタビューにも出ていて、
「その前後の検査でなにも出ていないのに、あの日だけが陽性なのは信じられない。彼がもしドーピングをやったとしたらバカに違いない。だってそれは、クルマの飲酒運転テストの前にウオッカを一瓶飲むようなものだから」と言っている。
これは僕も同感だし、ブエルタで話をしたUCIの審判だって同じ意見だった。
テストステロンは検査で簡単に出てしまうもので、もはや古典的なものだからだ。

僕はチクリッシモ第2号の中でランディスを非難した。
なぜかというと、記者会見で開口一番「あの前夜に僕は酒を飲み…」だったからでもある。
今日発売となったチクリッシモ第3号では、ランディスが堂々と潔白を主張している。状況がよく分からないまま公衆の面前に立たされたというようなことも書いてある。
彼の主張はよく分かるものだ。
今年のツールでがっかりしたというファンは多いと思うけど、ランディスのインタビューはぜひ読んでみてください。
チクリッシモNo.3発売
チクリッシモNo.3発売
10月20日、チクリッシモNo.3が発売されます。
レースではブエルタと世界選、それからチューリッヒ選手権とパリ〜ツールが載っています。
ブエルタはフィルムで撮ったパノラマ写真が入っています。写真好きは楽しみにしてください。
5ページにわたるランディスの本格的反論の記事は、たぶん世界でこのチクリッシモがもっとも内容が濃いでしょう。これも大変価値あるものです。

とにかく優秀なスタッフに集まってもらって作り上げたものです。ヨーロッパの人に堂々と差し出すことができる雑誌であり、永久保存する価値のあるものだと自負しています。
今よりも未来になってさらに価値が出てくる、そういうものを理念に置いています。買っても絶対に損はないっす。
東京より
東京より
今日、ジェイスポーツのカレンダーの出来上がりを見たけど、なかなか気に入っています。
僕としては使い捨ててではなく、ずっととっておいてもらえるようなものを目指しています。
ジェイスポーツのサイトなどでも販売されるので、ぜひ見てください。
それから、20日にはチクリッシモNo.3が発売されます。今回も見ごたえある内容なのですが、これは次に紹介します。
太股が痛い
太股が痛い
ロンバルディーアの前半は退屈な展開だったけど、後半はベッティーニのアタックでがぜん盛り上がった。
アルバーニがマイクでカメラマンにハイテンションで注意し、オートバイに乗るレギュレーターがホイッスルと怒鳴り声で仕切るときは、もうアドレナリンが出まくった。
選手がギザッロ教会の横を通過するときに鐘が打ち鳴らされるのだけど、ここでさらにボルテージが高まる(今日のガゼッタのいちばん大きな写真は、僕がここで撮ったベッティーニ)。
プロツールがもめているけど、僕らにとってのカテゴリーは5大クラシックの一つ。
オートバイで撮影するのはものすごい興奮があって、これだからこの仕事はやめられない。
はっきり言って、みなさんの100倍は楽しんでいます(すみません)。

プレスルームで写真を大急ぎで電送して、すぐにマルペンサ空港に向かい、21時半のJAL便に搭乗。
ロンバルディーアが終わったその日に帰国便に乗るのは初めて。
とにかくその前にトイレでススの着いた顔を洗わなくては。
機内はエコノミーもビジネスも満席で、相変わらず紙袋を抱えた女性が多い。
乗ってからも写真の整理をしていたから、夕食でいつものシャンパンを飲んで気絶するように熟睡。
目が覚めると、腕時計がない!
びっくりして座席の下を探していると、スチュワーデスさんもいっしょに探してくれ、そして見つけてくれた。
どうやら、無意識のうちにいつもの癖で外したみたいだ。
僕はホテルで寝るときは下着も付けずに裸で寝るのだけど(欧米では普通だと思う)、その癖がでなくて良かった。

今、都内のホテルでこれを書いている。
ベッティーニがゴールして彼のところに走っていったら、ブラマーティ監督(ちょっと笑っちゃう)が持っていたベッティーニの自転車に思いきり太股をぶつけて、今も歩くと痛い。
契約の話
昨日はバッソがレースに復帰できるかが発表される日で、インターネットでチェックしていた。
OKとなってから、ミラノにいる日本人の大学生の友人とサルデーニャ料理のレストランで食事(来年のジロは、サルデーニャを含めた島をいくつか回るという噂)。
クルマで聞いていたラジオで「バッソがレースに復帰します。しかし、土曜日のロンバルディーアに出場するかどうかは未定」と言う。
そして今日の新聞にははっきりと「出場しない」になっている。ああ、すごく残念。
ツール期間中からバッソがディスカバリーと契約したという噂が飛び交っていたが、新聞によると、その可能性は低くなさそうだ。

僕らの世界でも契約の話が始まっている。来年からクイックステップの自転車がタイムからスペシャライズドに替わり、リクイガスもビアンキからキャノンデールになる。
さらにイタリアにロシア資本の新チームが誕生し、自転車はコルナーゴとなる見込み。
こうしたニュースは、仕事に直結してくる。

今日の午後、スイスのメンドリズィオに行き、ロンバルディーアの受付とカメラマン会議に出席する。
早めに行って各チームの監督や広報担当者などと接触し、情報を仕入れる予定。
楽しい食事
昨日はデザイナーの友人宅で、楽しい食事をいただいた。
奥さんはアルゼンチンとデンマークの混血で当然美しく(血が混ざるとだいたいきれいになる)、最近までモデルをしていた。ちなみにデンマーク側の姓はラスムッセンだ(ラスムッセン本人は先週のジロ・デ・レミリアで落車して、骨盤を骨折する大怪我をしてしまった)。
彼は自転車のデザインをしたくてたまらず、某有名メーカーにアプローチしているところだ。
それから昨日来ていたフランス人のフォトグラファー、楽しい話を機関銃のように発射するんだけど、自転車のこと、ツール・ド・フランスのこと、ドーピングのことなどをすごくよく知っているのにびっくり。さすがフランス人。お互いの仕事のことも話し合えて、楽しかった。

昔は今ほど仕事が忙しくなかったので、こうした友人宅での集まりによく出掛けていたけど、ここ数年はずっと仕事に追われているので、すっかりご無沙汰だった。
先輩から
「仕事・仕事といってばかりいると、クオリティーは確実に落ちる」と言われたけど、本当にそう思う。
こういう息の抜ける時間って、とっても大切です。
今日もミラノは好天
今日もミラノは好天。
午前中にコルナーゴに仕事があって行ってきた。
たまたまピエロ・ピアッツァルンガが来ていた。イタリアのメカニックとしてはカリスマ的な人だ。昨年よりもさらに歳をとってしまった。
テレビのアナウンサーとして超有名だった故アドリアーノ・デザンに僕はかわいがってもらったんだけど、彼はよくテレビで、
「監督はアルフレード・マルティーニ、マッサージはイザイア・ステッファーノ、メカニックのピエロ・ピアッツァルンガ、イタリア・ナショナルチームはすばらしいチームでした」と言っていた。
エルネスト・コルナーゴを含め、この人たちはイタリアのそれぞれの仕事の中では代名詞的存在だ。
ボローニャのある会社がプローディ首相にコルナーゴ・フェラーリをプレゼントしたと昨日のコリエーレ・デッラ・セーラに出ていた。
コルナーゴはこのことをまったく知らず、新聞で初めて知ったと言う。

お昼はイタリアで自転車を作っているムラーカの佐野君と食事した。
コルナーゴからわずかの距離で工場を持っている。
レストランはジェッサーテのローマ。市川さんと鉄沢さんがアマ時代にずっと泊まっていたホテルだ。

今夜はミラノにいるデザイナーのパオロの家に招待されている。
奥さんは最近までモデルをやっていた。
家はさすがデザイナー、ロフトタイプなんだけど、雑誌に出ているようなモダンなもの。
彼は大の自転車ファンで、毎年ミラノ〜サンレモのスタートに現れる。
好天のミラノより
パンターニのテレビドラマが今イタリアで制作中で、来春に放映される予定だと、今日のガゼッタの1ページ目に出ていた。
これまでの視聴率はバルタリのものが1位、コッピが2位だったが、パンターニのドラマもきっとすごい視聴率だろう。
今回パンターニ役を務めるイタリア人の役者の走りの写真がガゼッタに出ていたけど、そっくりだったのでまずは安心。

今日も天気が良く、しかも仕事が特にないので、午前中に自転車に乗ってきた。
天然の水が湧いているところがあって、そこを通ると、バッソのことを思い出した。
彼がプロ1年目のとき、僕が自転車に乗って通ったら、バッソがポルシェのボクスターといっしょに並んでいたのだ。
「こんなところで何やってんだい?」と聞いたら、
「車雑誌の撮影なんだ」と言った。
そのバッソはレースの復帰が微妙なところで、連日新聞に書かれている。
今日のコリエーレの記事では、かなり有利な状況で、もしかしたらロンバルディーアを走れるかもしれないとあった。

そういえば先日の土曜日、ピッコロ・ジロ・ディ・ロンバルディーアが僕の住んでいる町からスタートした。
アマ最高峰のレースで、優勝者のほとんどは一流のプロになる。
優勝者の一人、アンドレーア・ペロンが土曜日のロンバルディーアを最後に引退するとガゼッタに出ていた。
フランスから戻る
土曜日にミラノのリナーテ空港からパリのオルリー空港に飛び、電車でホテルに向かった。
リクイガスの広報担当者と、スイスに住んでいるエヴァンスと飛行機がいっしょだった。
飛行機の中で具合が悪くなった人がいて、あわや緊急着陸かと思いきや、パリに到着。
だけどそのあとの列車での移動では、線路のトラブルで途中の駅で降ろされ、満員のシャトルバスに乗った。
汗だくになって重い機材をかつぎ、ようやくホテルに到着。
その夜は友人夫婦と楽しく食事し、そして日曜日にパリ〜ツールの取材をした。
幸い好天で、取材は順調だった(今月20日発売のチクリッシモ見てくださいね)。
ツールからパリまでTGVで帰るつもりだったけど、駅で切符を買うのがいつものごとく大変。
駅員の仕事が遅いし、なによりもいろいろおしゃべりしながら買う人が多いので、もうぜんぜん進まない。
僕の前にいた白髪のおばあさんなんか、ガイドブックを見ながらああでもない、こうでもないと調べながら買うので、さすがにフランス人たちもいらいら。
で、ようやく僕の番が来たら、「TGVは満員です」
それで、パリまで2時間半かけて普通の特急で行った。
クタクタになりながらもチクリスティの締め切りに間に合うように写真と原稿を送り、そしてその他の写真の電送も終え、クタクタになってミラノに戻った。

しかし、毎回フランスに行くたびに、自分のフランス語のできなさがむなしくなってくる。
自転車の世界で仕事するなら、やっぱりフランス語は欠かせないと思う。
僕はイタリア語を習得するのに、ほとんど金を使っていないけど、フランス語のためだったらちゃんと学校に行きたい。でも定期的には無理だから、合宿制とか、朝から夜までのビジネスマン向けの講習とか、そんなのを受けたい。
これをイタリアではなく、日本で受けたいのですが、どなたか良いところを知っていたらぜひ教えてください。
これからパリ〜ツールの取材
イタリアはジャーナリストのストライキが続いていて、新聞もないし、テレビのニュースもない。鈴鹿でのF1も解説者がなく、ただただエンジン音だけが聞こえるだけ(案外新鮮で良かった)。

これからパリ〜ツールの取材で、飛行機でパリに行く。ミラノはどんより曇っているが、天気がいいことを祈るだけ。あと2レースで僕のシーズンは終わりだ。
ただ、ベッティーニが2回ばかり6日間レースに出ることが気にかかっている。それと来年のプロツールチームへの自転車の供給の話も気にかかる。
アメリカのメーカーが攻勢をかけていて、ちょっと変わりそうだ。
そしていよいよシマノでもカンパニョーロでもないコンポーネントが某プロツールチームに供給される見込み。
秋晴れのミラノから
空気が澄み渡った秋晴れが続いていて、自転車に乗るとすごく気持ちがいい。
昨日は金髪のきれいな女の子がさっそうとロード自転車に乗っているのを見た。サイクリングのウエアではなくて、スポーティーな普段着にリュックを背負って、仕事から帰るところのようだ。
実にかっこいい。まるで雑誌に出ているモデルのようで、しかもその速いこと。軽くぶっちぎられた。やっぱりイタリアは奥が深い!

ガゼッタの記者に電話したら、なんだか子供の声が聞こえる。
「編集部にいないの?」と尋ねると、
「今日はジャーナリストのストライキなんだ」という。
ここんとこ、1週間に2日くらいのペースでジャーナリストのストがある。
明日はイタリア全土で交通ゼネストも行われる。

ここにきて、ようやくハードな仕事から解放され、自分の時間がとれている。
今日はプロチーム関係者のところにいき、いろいろ情報を仕入れてきた。
あとしばらくで夕食。ウチの下のバールで食前酒をひっかけててこよう。
テレビをつけたら
ようやく時間ができたので、夕食時にテレビをつけてみた。
そうしたら、キャプーチが出ているではないか!
今春、フランスでヴィランクが出ていたあの番組と同じようなヤツだ。
つまり、どこかで集団でサバイバルをやって、視聴者からの評判が悪い人を一人ずつ除外していくというもの(らしい。これまでまともに見たことがないからよく知らない)
ある男の人がキャプーチに「手柄をすべて自分がたてたなんて言うなよ」と、怒っている。
(ああ、現役時代とまるで同じ)と、笑ってしまった。
ちなみにフランスではヴィランクがダントツで勝ったらしいが、キャプーチはどうなることやら。

だけど、僕は彼が現役だった頃に強烈なノスタルジーを感じる。
僕の自転車競技は90年代にある。
今よりも、ずっとずっと熱かったように思う。
たぶん、昔の人はその頃よりはモゼール&サロンニの70-80年代だろうし、もっとお年寄りはコッピ&バルタリの世界大戦前後だろう。
とにかく昔はウチの近所でもクリテリウムが盛んに行われたと言うし、モルテーニだって歩いていけるところにあったから、メルクスだってこの辺で走ったのだ。
そしてカメラマンがそんなところで稼げた時代でもあった。

ブーニョ、キャプーチ、パンターニ…もう何十年も前にいたように感じるときがある。
レースで迷子に
チューリヒ選手権は今年も一日雨が降り続いた。
ブエルタでもらった分厚い「スペイン選手辞典」があまりに重く(スペインで刊行されたばかりの百科事典のような書籍)、飛行機で帰るときにオーバーウエイトになることが間違いなかったので、クルマでイタリアに戻るリクイガスの中野君に持って帰ってもらった。
それを受け取るためにスタート前に歩いたため、汗だくとなった。
いったんプレスルームでシャツを脱いで出直す。
で、スタートについてバイクで先行するが、いつまでたっても集団が来ない。
すると観客が「10分ほど前に行っちゃったよ」と言うではないか!
気が動転して集団を追いかけたが間に合わないことが分かり、あきらめてショートカットして待ち伏せすることに。
おかげで前半の50kmほどを失った。
どういうことか冷静に考えてみると、プレスルームでシャツを脱いでいるときに、集団はすでにスタートしていたらしい。それで、違う道からコースに入った僕らは、そのことにまったく気がつかなかった。
スタートしたレースに気付かず、迷子になってしまったのは18年間この仕事をやってきて初めて。笑い話がまたできた。

レースでずぶぬれになって、プレスルームに戻った。
機材も昔だったら動かなくなっているほど濡れたが、今の製品はすばらしく、びくともしない。
でも脱いだシャツをまだ捨てていなかったので、それでちゃんと拭いた。
ヴァンデンブルックがアマ時代に走っていたクラブのシャツなんだけど、物持ちのいい私は10年以上前にもらったそれをまだ着ていたのだ。

昨日はミラノのエージェントに行って写真整理をした。
昼食は行きつけのレストランで友人たちといったが、いつもの通り上司の悪口を聞かされ続けた。
今日からしばらくは家で原稿書きをしよう。そして自転車にも乗ろうと思う。