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1年前はチポッリーニがアームストロング状態だった
1年前はチポッリーニがアームストロング状態だった
夜、フジテレビ開局50年歌番組を見ていた。
僕は1985年からイタリアに行くようになったので、流行歌が断片的にしか頭に残っていないのだけど、それだからかよけいに哀愁の念が強いのか、もう面白くてずっと見ていた。

マリオ・チポッリーニと音楽の話をしていて、「とくにこれといった歌手はいないけど、でもインプレッションの強いものには惹かれる。それはサッカーのプレーもいっしょで、ひいきチームはないけど、良いプレーには見入ってしまう」とのこと。僕の音楽観もサッカー観もまったくこれ。

マリオで思い出したけど、ちょうど1年前くらいかな、現役復帰するというので、そりゃあ今のアームストロング状態だった。
ロサンゼルスに行っているときにガゼッタから呼び出されて、「サンタモニカで、明日ロックレーシングと契約するから、写真を撮れ」と。
今の自転車部門のチーフからタクシー代200ドル渡され、「明日サンタモニカで待っている」と。もう強引というか、強制というか...。

翌日、マリオと朝食をとりながら、記者はインタビュー、僕はとりあえずその写真を撮る。そのあと、彼は弁護士といっしょにロック社の社長と交渉すること1時間。記者はホテルに戻り、原稿書き。僕はロケハンを終え、ずっと外で待っていた。
ようやく出て来たマリオは「もう時間がないから撮影はなし」と。
僕はパニックとなった。ホテルに戻っていた記者の怒りのシーンが脳裏に浮かぶ。
説得しても、「もう空港に行くから時間がない」
そこで、撮れるものは撮って、ガゼッタ編集部に送って掲載されたのがこの写真。
タイトルは「チポッリーニ、サンタモニカの道路でスプリント!」
今思うと、交渉は物別れだったのだ。
カリフォルニア一周をロックレーシングで走ったけど、結局ギャラは1円もらえず、そして選手復帰の夢はそこで消えた。

今度、本か写真集でも出したときに、この辺のことまた書きます。

(横断歩道を走って渡るマリオ。ぼくもいっしょに走りながら撮った。もうなんでもいいから撮らなくてはならなかった)
海外の仕事
オーストラリアのサプリメントメーカーがエヴァンスと契約したみたいで、パッケージ用の写真を購入したいと連絡があった。
最近のオーストラリアドルの下落は激しく、日本円建てで請求すると、予算オーバーだったのか、2枚購入予定が1枚になってしまった。為替レートの激しい変動に振り回されている。

3月末にポーランドで行われるトラック世界選手権に行くが、航路をうっかりしていて、フランクフルト経由をとってしまった。
あとで気づいたが、もう遅い。
というのは、外務省のホームページでずいぶん前から「フランクフルトの税関の非道な取り立てに注意せよ」と警告が出されているのをすっかり忘れていた。以下を見てください。
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/spot_top5.asp?id=165&num=1
撮影機材一式に課税されようものなら、大変なことになってしまう。
同様に、オランダのアムステルダムも、凄いと聞く。
こうなったら、スーツケースに機材を入れて行くしかないかも。

ポーランドは初めて行く国。
東欧では、ジロで何度か行ったスロヴェニアとクロアチアに次いで3カ国目。
いくらアルファベットとはいえ、書かれている文字がまったく分からないという意味では、韓国に行くような感じかな。
イタリアのスプリンター
イタリアのスプリンター
今年から、サルデーニャ島一周が12年ぶりに再開されて、2ステージが終わったのだけど、共にミルラムのロレンツェットが勝った。去年のジロで落車して、泣きながらクルマに乗った選手なんだけど、今年は絶好調(去年のジロの前も絶好調だった)。
しかし、今のイタリアのスプリンターのレベルはすごい。
ペタッキ、ベンナーティは言うに及ばないけど、ランカウイで4勝したガヴァッツィ、同じチームのロッド(上れないからジロは出さないとは監督の弁)、そしてこのロレンツェットと同じチームのフルラン、カチューシャのナポリターノ、純粋なスプリンターではないけど、ときには噴火するポッツァートやガスパロット。小さいチームの選手も含めれば、さらに数は増える。
プロ選手の数がいちばん多いのがイタリアだから、当然と言えば当然だけど、かなり充実している。

ミラノ〜サンレモはイタリアの箱根駅伝的存在。僕はもうすぐイタリアに行くけど、毎年現地でたくさんの人から「もうすぐだね、ミラノ〜サンレモ」と言われる。
今年はアームストロングが出るのでさらに話題になっているけど、こういったスプリンターの中で、だれが勝つのか興味は尽きない。この時期、選手のインタビューには必ずと言っていいくらい「ミラノ〜サンレモ」という言葉が出る。
エディ・メルクスはたしかにツールで5勝したけど、イタリア人にとってそれと同等くらい、もしかしたらそれ以上なのは「メルクスのミラノ〜サンレモ7勝」である。神様、仏様、メルクス様である。

(写真は、今年のカタールでのロレンツェット)

以下の通り、小生のスライドショーが開催されます。

日時
3月1日 日曜日
PM1:00開始 PM3:00終了予定

場所
株式会社 FORZA 守谷店 2F 特設会場
http://www.forza.jp/
http://blog.goo.ne.jp/forzamoriya

定員 40名

参加料 無料
カンナヴォの死去
カンナヴォの死去
今日のガゼッタは、昨日亡くなった同紙の元ディレクター、カンディード・カンナヴォの記事で怒濤の11ページを組んだ。
ガゼッタは一般紙を含めてもイタリアで最大発行部数を誇る新聞。
その発祥は、自転車競技の報道だった。
繰り返しますね。ガゼッタは自転車のために生まれた新聞だったのです。

ジロの元ボスであるカステッラーノは、引退後、僕に昔話をしてくれたことがあって、その中で忘れられないのは、パンターニのあのマドンナ・ディ・カンピリオでの失格事件である。
カステッラーノは、その事件の発生を、彼の上司であるカンナヴォに伝えるために、ホテルの部屋を訪れた。
ちょうどカンナヴォは、下着姿のままひげ剃りの最中だったが、パンターニのヘマトクリット50%オーバーを聞かされ、顔をクリームだらけにしたままベッドに座って頭を抱え込んでしまったという。
フランスのレキップ紙(ガゼッタ同様、フランスでも一般紙を含めて最高の発行部数を誇る)の記者フィリップ・ブルネールが書いたパンターニの本にも、これと全く同じ記述がある。たぶん、彼もカステッラーノから聞いたのだろう。

イタリアではすべてのスポーツ施設で1分間の黙祷が行われた。僕の知る限り、2000年5月5日に亡くなったジーノ・バルタリ以来である。
どんでんがえし
週末なのに久しぶりに家にいたのですが、なんと本当に欲しかったカメラをインターネットを通し、あるお店にあるのを見つけてしまったのです。それはほとんど使われていないフジ TX-2。2006年11月に出荷を終了したので、市場で見つけるのはかなり苦労します。
予約を入れておいたTX-1をキャンセルして、45mmレンズといっしょに注文しました。15万円から24万円といっきに9万円もアップしたけど、欲望には勝てませんでした。

昔からあんまりブラックボディには興味がなくて、リコーGRを購入したときも、チタン色の方がブラックよりも1万円安かったので、迷わずチタンにしました。
でも、今回のTX-2は、TX-1の改良型とはいえ、いちばんあこがれはあの全体のブラックです。
いくら商売で使うとはいえ、この辺のこだわりは自分にとってけっこう大事かも。ああ、明日が待ち遠しい。

そうそう、先日クアラルンプールを歩いてGRで撮ってみました。やっぱり好きですね、このカメラ。ちゃんと自分の見たクアラルンプールがフィルムに写っていました。
スライドトークショー
スポーツを専門に撮っているフォトグラファーのカメラは、ニコンとキヤノンのどちらかしかないのだけど、最近の僕は富士フィルムのカメラに興味が移っていて、昨日インターネットの悪魔のボタンをクリックして注文したのもこのフジです。今度発売されるコンパクト・デジカメのFinePix F200EXRも欲しくなってしまいました。

今日、税理士さんのところに確定申告の書類を持って行ったけど、一昨年も昨年も機材(カメラとパソコン関係)でけっこうな額を使っていました。
デジタル時代になって機材の購入頻度が激しくなった今、昔の機材のコスト算用は通用しません。
このデジタル機材の買い替えができなくなったときが心肺停止となるわけです。悲しい世の中です。

さてさて、以下の通り、小生のスライドショーが開催されます。

日時
3月1日 日曜日
PM1:00開始 PM3:00終了予定

場所
株式会社 FORZA 守谷店 2F 特設会場
http://www.forza.jp/
http://blog.goo.ne.jp/forzamoriya

定員 40名

参加料 無料
富山より
マレーシアでチケットを変更して1日早く帰国したものの、東京から飛んだ全日空便が雪で富山空港におりられず、また羽田に引き返すというトラブルが発生。
もうくたくただったけど、新橋のよく行く中華料理の店で友人といっぱいやってから、夜行列車で帰宅した。

今回、海外取材している間に、アメリカのアマゾンでカメラバッグを購入した。
think TANKという、今報道系カメラマンですごく人気のあるもので、キャスター付きのAirport International V2.0が、日本国内で購入するよりも5,000円ほど安く、43,000円だった。

なかなか良くできているのだけど(すでにこの会社のパソコンを入れる鞄を去年ロサンゼルスに行ったとき、2つ買って来た。だけど日本で買うのと値段が変わらないことを帰国後に知った)、セッティングがけっこう大変。
自由にパーティーションをかえられるのは良いけど、あまり自由すぎるのも困ったものだ。

夜、ついにインターネットでカメラ購入のボタンをクリックしてしまった。
なんと、フィルムの中古である。
ずっと欲しくてたまらなかったのだが、今日、沖縄の方で良い出物があり、それを頼んでしまった。
実はオーストラリア、カタール、マレーシアとフィルムのカメラを持っていたが、同業者からけっこう注目され、ちょっと見せてくれと言われたこと数知れず...だったのだが、納得が行かない部分が多く、欲求不満だったのだ。
これが手元にくれば、デジタル2台、そしてこの銀塩1台をぶらさげ、今年のレースを撮影しまくるつもりだ。
ランカウイ最終日
去年の今頃はものすごく忙しくて、このランカウイを途中で切り上げて、トラックワールドカップ最終戦のコペンハーゲンに向かった。そしてシンガポールを経由してクアラルンプールに戻ってから、日本に到着。すぐに佐藤琢磨君の取材でモンテカルロに行ったのだ。
おかげで、わずか5ヶ月でANAのプラチナ会員となった。
今、それを使い倒しているところだ。今日もその特典を活かし、5月の連休前に帰国するにあたっての国内線を予約した。 

今日はランカウイの最終日。恒例のクアラルンプールのど真ん中でのクリテリウムである。
しかし、マレーシア一周レースなのに、ランカウイの名前を使い続けるのも疑問が残る。しかも近年はランカウイをスタートしていない。

朝、ロビーに行ったら、午後レースがあるにもかかわらずポッツォヴィーヴォ(去年のジロ9位)がトレーニングに出かけるところだった。彼は今晩のフライトだから、多めに乗り込んでおくのだ。
僕も本来は梅丹本舗といっしょに月曜日の夜のフライトだったけど、今晩のフライトに変更してもらった。
カタールからも本当は日本経由で来るのを直行にしてもらうなど、便宜を図ってもらっている。
これまで、ガゼッタはあまり大きくはこのレースのことを報道してこなかったけど(この時期各地でレースが行われているとの、今年はバルベルでのオペラシオン・プエルト問題再勃発で2ページ!とられたことが原因)、今回はガヴァッツィの4区間制覇もあって、写真付きで報道してくれた。これでオーガナイザーへの恩返しもちょっとはできたかな、と思っている。

日本に帰国するのは月曜日の朝。すぐに都内でジロに関係する打ち合わせがあるが、この時期のレース界のベクトルは、ミラノ〜サンレモに向かっている。
ベッティーニもペタッキも、このレースで勝って泣いた。世界で最も重要なレースのひとつだ。
僕はしばらく日本にいるけど、そのミラノ〜サンレモでもっとも重要な前哨戦となるティレーノ〜アドリアティコからヨーロッパに入る。
ゲンティング(ツール・ド・ランカウイのラルプ・デュエズ)から
こうしたレース会場にいてタメになるのは、選手やジャーナリスト、フォトグラファーから直接話を聞けることだ。
特に自転車の世界に何十年身を置いている連中の話は、「インターネットに出ていた...」なんていうレベルじゃないのが頼もしい。
っていうか、僕はもともとインターネットの情報にはいつも一歩構えてしまうんだな。
自分は目の前で見ているものを撮るわけだから、聞いた話というのは、その時点ですでに虚構の世界という感じなのだ。
じゃあ新聞も同じだろうと言われるかもしれないが、実際に一流新聞の記者たちの仕事をいつも見ているのだけど、もうレベルが違う。
なにかあると、すぐに選手や監督に電話して直接聞いてしまうから。

フランスのベテラン同業者の腕時計話だ。
「チャイナタウンで偽ロレックスを買ったのだけど、リシャール・ヴィランクの家に行ったとき、彼はそれを見て不思議そうに「なんで本物を買わないの?」って言うんだぜ」
まったく、おぼっちゃまは困るよ。
そのフォトグラファーはこのツール・ド・ランカウイで、台湾から来た人にカーボンフレームを買って来てもらった。
「なんでルックを買わないの?」と言ってやったら、笑っていた。
マラッカから
今、マラッカに泊まっている。
ツール・ド・ランカウイなんだけど、規模は縮小したけど、その分、内容は良くなっている感じだ。
日本の皆さんに言ってもわからないかもしれないけど、イタリアはレースが多いから、自転車と接する機会が凄く多い。
そんなところで育った自分(生まれ育ったのは富山だけど、自転車に関してはイタリア)の根底にあるのは、イタリアの小さなレース。この中には子供のものからプロのものまで数知れずあるのだけど、規模が小さければアットホームな感じなのだ。
レースは規模が大きければ良いなんていうものではない。
(規模世界一のツール・ド・フランスも僕は大好きだけど、だけどあれしか見ていないのに、自転車競技のことを「こうだ」と断言してはいけませんよ)

だけど、このランカウイにもはがゆいものがあって、一つはあてがわれるバイクの運転手のレベル。もうお粗末の一言。
カタールも昔はそうだったけど、僕が4年間に渡って教えたかいがあって、今はかなりよくなった。
マレーシアであてがわれている人、温厚そうだけど、もう遅くて遅くて。
ゴールに急ぐとなると、僕の専属運転手だったら120kmは出す。でもここでは60km!プロトンに追いつかれるのではないかと心配なくらいだ。
それともう一つお笑いなのは韓国チーム。
今日、クルマに乗るメカニックが、オートバイが邪魔だからと怒鳴っているのだ。
みんなちゃんと一列走行をしているのに、なにが気に入らないのだろう?
あのメカニックがツール・ド・フランスにいったら、発狂するのではないだろうか。
オートバイだけでおそらく100台以上、クルマも100台近くはプロトンについていると思う。
トラックレースでも、審判団に対して平気で怒鳴り込んでくるのが韓国チーム。
まあ、チームがこの程度ではプロ選手が出てくることは当分ないだろう。
クアラルンプール到着
昨日カタールを出て、7時間飛行機に乗り、今日マレーシアのクアラルンプールに到着しました。
月曜日からツール・ド・ランカウイです。

空港からバスで走り、ホテルに投宿。
飛行機では2度の機内食をまったく食べずに寝ていました。といっても浅いもので、しかもシートが合わずに腰も痛く、苦痛なフライトでした。
ホテルで早速マッサージに行きました。
ココナッツ入りのオイルをからだに擦り込んでもらってから全身マッサージをしてもらったら、気持ちよさに寝てしまいました。
肩が凝っていたのも治りました。
第5ステージキャンセル
朝、ホテルを出発しようと思ってロビーにおりて行ったら、選手たちが座り込んでしまっている。
何が起きたのかと思ったら、ベルギーの若い選手がベッドの上でなくなっていたのだと言う。
心臓発作でも起きたのだろうか。
今日のステージは哀悼走行となるようで、実際のレースはキャンセルとなった。
今、ホテルでまだ待機している。

ご冥福をお祈りします。
ドーハから
ドーハから
金曜日、関空からドーハに来ました。
飛行機は7割くらい座席が埋まっていましたが、僕はANAのスーパーフライヤーズカードが効いたせいか、4席を一人で使うことができました。
ホテルは毎年恒例のリッツカールトン。
ゴージャスです。アメニティーグッズや石鹸はすべてブルガリです。
ニベアのハンドクリームしか知らない自分には、もったいなくて使えません。

昨日はチームタイムトライアルがあり、そして今日は第2ステージ。
外は風が強いので、厳しいレースになるでしょう。

写真は部屋のテラスから見たホテルの庭と海